832ページ

……これが「カミカゼの邦」文庫本のページ数です。

単行本版では上下二段というワザが使えるので445Pですみました。
当初はそれでも780ページですむ予定で、定価もなんとか1千円ジャストで抑える予定だったんですが、徳間書店の編集部さんが何故かとてもこの作品を気に入ってくれて、
「どうせなら前日譚の【スウィッチ・ブレード】も入れましょう」
そして
「『僕僕先生』の仁木英之先生が解説書いて下さいますよ! 単行本の時の細谷さんの解説と並んで収録になります!」
ということになりまして、気がつけば832ページという、京極夏彦先生の単行本ばりの作品となりました。
オマケに表紙絵は獅子猿先生!今手元に見本が来ていますが、まあ格好いい!
単行本の表紙も象徴的で静謐、かつ美しかったですが、こっちはまた別の美しさと格好良さがあります。
えーと、ちなみに832Pが具体的にどれくらいの厚さになるかというと。

色校(色のチェック用の試し刷り)の帯、背表紙部分に定規を当てたところ、こんな感じです。
単純に計って3センチ、実際には紙の厚みでもう少し折り曲げ位置は変わりますから約3.2センチということになるだろうと思います。
誤字脱字、言葉の乱れ等々も直しましたので、より読みやすくなったと思います!
9月7日、よろしくお願いいたします!

「カミカゼの邦」文庫版書影!&予約可能サイト速報

徳間書店さんからお許しが出たので、本日ただ今付をもって
「カミカゼの邦」書影を公開します!

獅子猿先生の渾身の一枚です!
素晴らしいです!

それだけでなく、クリックすると徳間文庫のページにも飛べます!いよいよ後二週間後には店頭に並びます!
どうぞよろしくお願いいたします!

現在(2018年8月24日)予約可能なサイトは以下の通りです。

Amazon
honto
TSUTAYA(※まだ訂正前の価格なので修正されると思います)
オムニ7セブンネットショップ
楽天ブックス

<物語>
東京オリンピック終了後、にわかに緊張感の高まる日本と中国。

そしてある日、ついに、沖縄は戦火に包まれた。
総力戦に突入するかと思われた日中戦争はなぜかそのまま終結。日本は「勝利」した。
地元県民で構成された民兵「琉球義勇軍」の小隊長、渋谷賢雄は戦後の処理を終え、自分の生まれ故郷かも知れない東京へと流れていく。
そこで「紙の風(カミノカゼ)」と呼ばれる組織の暗躍に巻きこまれ、彼は「見えざる戦場」という新しい戦いの場へと誘われていく。
神野オキナが描く、国際謀略アクション小説!
さらに文庫版には本編の前日譚「スウィッチブレード」と作家・仁木英之氏(『僕僕先生』シリーズ等)の解説も収録

あそびにいくヨ!英語版第一話が公式に見られます

アニメ版あそびにいくヨ!の英語版はFunimationさんが作り、配信しておりまして、このようにBlu-rayも同じくFunimationさんから出ております。


で、第1話はどうやら全世界に向けて無料開放されてるらしく、昨日環望先生のダンス・インザ・ヴァンパイアバンドの何話かが同じくFunimationさんのYOUTBEの公式ページから視聴可能ということで調べて見たら、あそびにいくヨ!もあったという次第。
英語吹き替えだけでなく、字幕なども変更されてます(さすがにアオイの強化装甲服におけるHUDの漢字表示までは直せなかったのか、書体の版権の問題なのか、そこがまっさらになっているのが国内版との最も大きな違いでしょうか)。※あとで比較したらちゃんと表示されてました(恥)
騎央が男性声優になっている以外、日本版の伊藤かな恵さん、花澤香菜さん戸松遙さんたちにかなり似た声質の声優さんが、かなりこちらに寄せた演技をしていて興味深いです。
日本語版の1話をご覧になったかたは英語の言い回しだとどうなってるのか、聞き比べてみるのも一興かと。
以下のURLをクリックして下さい。
https://youtu.be/xSYH6l71gTE

HJ文庫の全タイトルが電書化します

有り難い事にHJ文庫で書いた神野オキナの作品が全て、9月に電子書籍になります!
○じつは「あそびにいくヨ!」のご近所で展開していた小さな神様と少年少女のお話「うらにわのかみさま」全4巻
○学園にいる着ぐるみ姿の謎の少女に「探偵助手」を指名された少年の繰り広げる残酷で切ないハードアクション「きぐタン」全1巻
○ある日普通にそこに現れた「幼なじみ」の少女を巡る日常異界アクションもの、「アンリミテッド・オーバースキル」全1巻
何卒よろしくお願いいたします!

Amazon
紀伊國屋
楽天ブックス
iTunesは個別のページのみでまとめがないので下の画像をクリックして飛んで下さい。

カミカゼの邦文庫化についてその4

徳間文庫版で「カミカゼの邦」が出ます。
単行本からの文庫化は普通2年から3年、最低でもかかるものですが、徳間書店さん英断でこうなりました。
さらに税抜き1200円の定価に相応しく、細谷正充先生の単行本版解説に仁木英之先生の解説に加え、「読楽」での読み切り前日譚「スウィッチ・ブレード」も収録されて、厚さ3センチもの本になりました!
この前、カバーと帯の色校をいただきまして、束見本を作って見たんですが我が家にあるどの本よりも厚く、ダブついてしまいました。
今週末には徳間文庫にも書影が出るのでそれに合わせて公開しようと思いますが、まあ大変なモノです。
カバーも特製で、かなり希少なモノになると思います。
ああ、早く何とか公開したいものです!
もう少々お待ち下さい!

 

アメリカドラマも疲れてるんでしょうねえ

ここ20年ぐらい、アメリカのテレビドラマというのは海外のドラマの中でも全世界を相手にするだけあって、大したレベルの脚本が上がってきます。社会問題も真っ正面から取り上げますし、最新テクノロジーに関しても貪欲に取り入れ、整理し、エンタメ的なディフォルメはあるにせよ完全に間違いというモノは驚く程減っています。
プロットは二重三重に絡み合い、一話完結作品も実はその背後に全編を貫く物語があり、シーズンの終わりにはそれが一気に動き出し、今までのお話の中で見過ごしていたことが実は……なんて展開をよくもまあ、と感心しながらチェックしてました。
ですが去年一昨年あたりから、これまでとはちょっと毛色の変わった作品が人気を博して日本まで輸入されるようになってきたようです。
またこれまでロングランを続けていた作品も方向を変えるモノが増えてきました。
単純明快で、キャラクターの掛け合いで展開し、毎回完結でとにかく明るい。
判りやすいギャグとお約束な恋愛展開、やり過ぎて登場人物の知能指数がえらく低かったり、前シーズンに比べて半分以下になってるように見える作品もありますが……
特に残念ながらシーズン1で終わってしまった「ラッシュアワー(J・チェン主演のアクション映画のテレビ化)」とこちらは第3シーズンからは主役ペアの片方が降板入れ替えという「リーサル・ウェポン(こちらも同タイトルの映画のテレビ化)」、そしてシーズン4にして唐突に打ち切りになってしまった天才チームの活躍を描く「スコーピオン」の3作品はその傾向が顕著でした。
視聴率的に苦戦してシーズン2こそなかったですが、シーズン1はちゃんと全話放送された「ラッシュアワー」は最初から明るく楽しく、で最後もみんな集まってささやかなホームパーティというハッピーエンドでした。
「スコーピオン」もシーズン2までは主人公の一人であるウォルターの姉の難病に絡む話が本編とは別の重大なお話として流れていましたが、彼女がシーズン2のラストあたりで亡くなると、シーズン3から、物語は一気に明るさを強調するようになりましたし「リーサル・ウェポン」のシーズン2もシーズン1にあった多少の陰鬱さは消え去って主演ふたりの知能指数どころか、他のキャラクターの知能指数まで半分になったような展開や場面が増えました(笑)
思えばこの20年、「ヒル・ストリート・ブルース」に現れた「複雑な脚本」は「ER」と「24」で遠慮なく主人公を追い詰める複数のドラマのラインになり、「クリミナル・マインド」や「パーソン・オブ・インタレスト」「第一容疑者」「シカゴファイア」に始まる「シカゴシリーズ」あたりまで複雑になり大きくなりジェットコースターになっていきました。
恐らく22話、十数時間もそれに付き合わされることにそろそろアメリカの観客は飽きているのかも知れません。
それは全米視聴率のトップが「CSI」シリーズが終了して以来、この数年連続1話完結で捜査チームを「家族」として描き続ける、判りやすい「NCIS」シリーズなのを見ると顕著という気がします(もっともCSIシリーズにも複数のお話のラインはあるのですが、それは全体を覆うほどの強さはなく、基本、判りやすい明るさが根底にあります)。
むしろ複雑な複数の話が同時に走る作品は「THIS IS US 36歳、これから」のような「普通の人たちのドラマ」や短い話数(それでも13話)の配信ドラマなどに主戦場を移していくように思えます。
さて日本の場合、どうなるんでしょうね。

工房いちか、2018年夏

終電を送り出した首里駅で、モノレールを降りた小さな影がゴロゴロと、身長と同じぐらい大きな旅行鞄を引きずって大嶺方向に首里の坂道を上る。
「沖縄のほうが東京より涼しいって、詐欺だよねえ」
しみじみと言いながら、猫耳尻尾付きの仙人、いちかはハンチング帽を被り直した。
「……オマケに当日台風直撃ってなによ? 東京と沖縄がひっくりかえってるっての……まあ、それでもギリ在庫が全部捌けてくれたから良かったー」
珍しくブツブツと言いながら歩く。
沖縄は数時間前に突然の土砂降りが続き晴れ上がった夜空の低いところを月がのんびり浮いている。
「……しかし、そろそろ旧盆かぁ。えーと25日からだっけ? 今年も旅士っち帰ってこないからあたしが仏壇担当なのよねえ……仙人なんだけどなあ」
途中、いちかはコンビニに入って昨今流行りのストロングなアルコール飲料を購入した。
「いやー、地元はいちいち身分証出さなくていいから楽だねー」
そんなことが口から出る。
「ありがとうございます」
の声を背に受けて、いちかはのんびり歩きながら最初の一本を開けた。
「久々に……疾(ジェイ)!」
ストロングな飲み物を片手に、空いた手の指を一本立ててひゅん、と振ると、彼女の引きずっていたキャスター付きの旅行鞄はぱっと輝き、コロコロと勝手に動き始めた。
「いやー、あたしって天才!」
そう言ってひょいと鞄の上に飛び乗ると、いちかは細い脚を組んで月を見上げつつアルコールをちびちびと干していく。
のんびりした速度で、鞄は人も車も絶えた首里の道を上っていく。
「いー月だぁねえ……あ、そうだスマホスマホ、メールチェックしなくちゃ」
慌てていちかはオールオーバーの胸ポケットからスマートフォンを取りだして操作した。
「うあ、結構来てるなー、ご新規の人からも感想メールが来てる……」
そう呟いて、いちかは嬉しそうに目を細めた。
「有り難いねえ……ありがたい、ありがたい」
ひょいと月を見上げる。
「さて、工房いちか、明日っからまた頑張るとしますかねえ」
そう言って、いちかはくいっと手にしたストロングなテイストのアルコール飲料をくいっと飲んだ。
「そういえば、騎央君とエリスたち、どうしてるかねえ……」
しみじみと、いちかは勝手に移動していく旅行鞄の上、明るく輝く月に向かって問いかけたが、答えが返ってくるはずもない。

雨が止んだら、防水作業なのね

この前の台風の後の大雨でうちの部屋の下の住人さんから「雨漏りがする」ということで調査が入り、原因はうちのベランダにあると判明。
正確にはベランダ側の壁。言われて見れば確かに亀裂が入ってます。
安くて広い所ですが築三十年以上、真面目に作ってある建物でも、沖縄は塩害が酷いのでこういうこともままあります。
で、亀裂が入ってるだけではなくコンクリ自体が膨らんでそこから水が入ってくる模様。
下の住人さんにも悪いので「さっさと工事して下さい」ということで今日工事前の調査が来ました。
……結果。
9月早々に工事になります。
単なる防水じゃなく、膨らんだコンクリ壁を「はつり」作業で崩し、コンクリ塗り直しで2,3日。
その後プライマー塗布×3回&防水加工×3回。
短くても1週間は作業するとのこと。
なお塗装作業の一種なので雨が降ったら延長戦。
最初の「はつり」作業とコンクリ塗り直し以外は1日数時間だそうですが……
これからバリバリ仕事するぞー!という時にホントに間の悪い……
それ以前に作業する人たちが通れるように部屋を片付けにゃならんのですが。

覚えてるつもりで……

10代から20代の終わりまで、とにかく映画を観まくっていた時期がありました。
丁度時代がβ、VHS戦争の末期のころ。
我が家の経済事情は高校卒業まで、ビデオデッキを買う程ではなかったのですが、それでも何とか大学に入るあたりから自力でVHSビデオデッキ(中古)を購入して以後、録画王とか色々買い変えつつ、片っ端から映画を借りてくる日々でした。
当時まだTSUTAYAはなく、沖縄では九州地方で最もチェーン店を展開していたBOOKBOXという書店とレンタルビデオの店が最大規模の勢力を誇り、山のような新作旧作のビデオがフル回転で押し寄せてきていました。
今と違い、一泊二日380円が「安い!」と驚かれる時代。何とかバイト代をやりくりして映画を観まくりました。
そうなるとガイドが必要です。当時映画雑誌はもちろんですが映画の本も多く出ていました。
最初にガイドにしたのは当時まだ連載されていた双葉十三郞先生の「僕の採点表」、そこから小林信彦先生のエッセイ。さらにそこから装丁の和田誠さんの「お楽しみはこれからだ」シリーズへ。さらにあちこちから出ていたビデオ雑誌や映像系、娯楽系雑誌に載っている映画の豆知識を一生懸命詰め込んでおりました。
台詞回しやストーリーの基礎の基礎をそこで学んでいたと思います。
で、そこで得た知識は確定しているモノだと思い込んでおりました。
ソビエト映画「戦争と平和」ではラストの大戦闘シーンでロケットを撮影に使っている、というのもそこで得たモノです。
で、その後「戦争と平和」をみる機会があり、ちゃんと確認した……筈なんですが。
何処の場面で使ったかを完全に記憶違いしておりました。

途中の3分45秒ぐらいに始まる砲弾視点のシーンだとばっかり思い込んでおりまして。
で、まあTwitterでこの話題が出たとき、意気揚々と書き込みまして。
暫くやりとりをしたあと、記憶の端っこに違和感を感じて最後まで見ると……実際には5分10秒あたりから始まる場面がそれだとようやく思い出しました。
いろんな人が「若い頃に得た知識は確定していると思い込みがちで」と書いたモノを読んでいるにもかかわらず……小林信彦先生でさえ「今は当時の資料とノート、日記を読み返す」と書かれる程なのに。
知識の基本は記憶ですが、それをどこかに出力するなら、事実確認を怠ってはダメですねえ。
色々反省しております。