というわけで保健所でもらえるセラムングッズを貰ってきました

このところ、仕事ばかりでご報告することもないんで、どうしたものかと思ってたんですが、保健所で性感染症の検査をするとセラムングッズがもらえるよ、という話が聞こえて来まして。
セーラームーンといえば「月に変わってお仕置きよ!」という三石琴乃さんのあの声が最も多くのテレビに鳴り響いた最初の作品。
私個人は主人公よりもセーラージュピター木野まことのほうが漢気のある健気キャラで好きでしたが。そういえば実写版も可愛かったなあ。
考えてみればあの作品もエヴァ以前に開始されているので見ていた子供たちがこういう検査を真剣に考える年齢…………どころか「目に留めて自分の娘たちに検査を薦めやすくなる」効果が狙えるような時代ってことなんでしょうね。
日本以外にも輸出され、アジア圏でも絶大な人気を誇りましたし、ジェンダーフリーの象徴としてヨーロッパの一部では取り上げられるぐらいですしね。
唯一アメリカだけヒットしなかったことになってるそうですが、実際は違うとか何とか……まあそこはさておき。
とはいえ「えー? でも検査ってお高いんでしょう? 病院でレントゲン撮るだけでもン千円するしー」と思っていたら、今や性感染症の検査というのは無料らしく。

実を言うと20代のころ、興味本位で受けたことがありましたが(冒頭、検査が有料だと思ってたのはその時の記憶ではいくらか必要だったと記憶していたため)、それ以来なので、システムやらデータも変わってるんだろうなあと。プラス、最近まで書いていた物に深く関わる場所でもあるんで、ちょっと行ってきました。
といっても個人情報の関わることなんで予約して、二日待たされてのことでしたが。
そういうことから無縁になって久しいんで(と言わせてください……)、当然のごとく検査結果は陰性、感染症はありません、とのこと。

で、お話を職員のかたに聞くと、保健所で断言出来るのは「陰性」だけで、「陽性である」とはっきり診断を下すのはやはり病院に献体を回して一週間ぐらいかかるとのこと。
どうしてなんですか、と訊ねるとどうやら新世代(第四世代)の試薬というのが敏感に判定するところがあって、HIVでなくとも反応することがあるそうで、実際私が検査を受けた保健所でも数例、「実は違いました」ということがあったそうです。

色々誤解や偏見の多いのが性感染症、しかも初期に手を打てば悪化を食い止められる場合も多いので、もっと多くのかたが受けに来るといいんですが、という感じのお話しをしていただきました。

実際、検査結果を待つ一時間、待合のソファの上であらぬ妄想が広がりそうになって自分で自分の考える「可能性の未来」に恐れおののいておりました。
この恐怖の根源がどこから来るか、というと、それは「他の人とは決定的に違ってしまう」という自分自身の持つ性行為感染症に対する偏見の鏡映しなのだなあ、と反省しております。

で、いただいたセラムングッズというのはこれ。

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とっても可愛いパッケージのコンドームという(笑)

使い道は当分なさそうなんで(涙)、知り合いの冗談の分かるオタクの友人に送ろうかと思っています

とりあえず「恋愛と性交渉ってのはファンタジーだから後腐れないんであって、現実は妊娠とか結婚とか以前にこういう部分もあるんだよなあ」と実感した一日でございました。

中笈木六の作品が公開されました

お疲れ様です、ドタバタしているうちにもう11月も終わりですが、10月半ば、この「三人共用名刺」の共有者のひとり、中笈木六のかつての作品が無事に漫画図書館ZのR18部門で公開されることとなりました。
デビュー作である「ライトニング☆サーガ」全作と龍炎狼牙先生の「斬奸」のノベライズ版、さらに百済内創先生の挿絵で描く超伝奇アクション「トレジャーガード沙羅」という6冊です。

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今後、挿絵を描いてくださったイラストレーター、漫画家さんの許可が取れ次第、由麻角高介の作品や残りの中笈作品も公開されていく予定です。

18歳未満の方々は適正年齢になったらご覧下さい!

漫画図書館Zの中笈木六作品はここから!

本日よりシュレイオー続編、電子書籍で復刊です!

と出ておりましたシュレイオーですが、ようやくついに、続編にして完結編の「ダマスカス・ハート」上下巻も田沼雄一郎先生の挿絵を得ての復刊となりました!
「あそびにいくヨ!」でも出てきた彼らのパラレルな過去、そして「あそいく」以前の神野オキナがどんな風にコメディを書き始めたのか、作家志望の方も、以前のソノラマ版を読まれて手元に今はない、という方も、またまた最近神野をしったという方もどうぞよろしくお願いいたします!

電子書籍版「エルフでビキニでマシンガン!」発売記念掌編・その4(完結編)

エルフでビキニでマシンガン!外伝「若き女王の旅立ち」完結編

「………同じ世界の、違う場所を見ることはできる?」
『はい』
そしてその日から、彼女は表向きは「これまでの激務で体調を崩した」ということにして自室に引きこもることにし、実際は抜け道からこの地下の「門」へ毎日やって来ては「行く先」を観察した。
ある程度観察し、慣れてくるとすぐに行きたくなったが、行くにしても何をどうすればよいのかを考えねばならない。
「門」に命じてあちこちを見せて貰うと、この世界にも貨幣があることが分かった。
人々はこの世界でも商取引をしている。そして「金(きん)」はこの世界と同じ価値があるのだと理解した。
三日すると女王は執務に復帰した。
それからさらに半年、毎夜執務が終わると寝る時間を少し削って「門」の所に降りていき、風景を見、そこから得られる情報を書き留めていった。
やがて彼女の分厚い羊皮紙の帳面は情報の整理と、この世界で手に入れるべき物のリストを作り上げていた。
特に彼女の心を捕らえたのはとある武器である。
偶然、向こう側のあちこちを見ていると、「てれび」という動く絵と音(!)が入る記録水晶のようなものがあって、そこで演じられている劇に出てきた女性達が、彼女たちが崇める女のための戦神、ビキニの装束と同じものをまとい、ヨタヨタとあちこちに走ったり転んだりしながら使う武器。
「マシンガン、あるいはアサルトライフル、サブマシンガンと呼ばれる半自動小銃、短機関銃の類いです」
と「門」は説明した。言葉の意味の半分は翻訳魔法を通じてもなお分からなかったが、それでもあれが弓矢などとは想定もできない絶大な攻撃力を秘めた武器なのは理解出来た……なによりも細い腕の大して鍛えてもいないであろう女たちが、大の男たちを片っ端からなぎ倒す威力があるのだ。
リストの真っ先に「マシンガン」の項目が描き込まれたのは言うまでもない。
それから、彼女は腹心の中の腹心である警護役の双子の戦士と乳母でもあった女性に「この国を救うために三日間留守にする、その間を何とか誤魔化して欲しい」と説得し、きっかり半年後、「門」の前に立った。
「門よ、私はあなたを使います」
『事前調査はお済みですね?』
「ええ」
頷く女王の前に「門」の一部が開き、中から小さな箱を押し出した。
「これは?」
『結界装置です。これで四方を囲めば王城と同じ面積で中のものを全て持ち帰ることができます』
「人も?」
『無条件ではありません、これまでご説明した通り……』
とそれから「門」は何度目かになるいくつかの注意事項説明を繰り返した。
「なるほど…………分かりました」
女王は頷いてその小箱をこれまで苦労して運んできた荷車一杯の金貨袋の山の上に置かれた執務服と帳面を収めた竜用の鞍袋の中に納め、銀色の胸と腰を覆う金属の鎧…………ビキニの鎧に身を包み、荷車をゆっくりと引いて「門」へと進み始めた。
ここからは自分ひとりだ。
正直、恐ろしさに身がすくむ思いがしたが、頭を振って怯懦を振り払う。
門が輝きはじめ、その内側にもこれまでの風景では無い青白い光の幕が下りる。
『準備は整いました、我が主、お進み下さい…………これが最後のお目もじになります…………どうぞ良い旅を』
「ええ、ありがとう」
頷いて、「門」の注意通り、若き女王は眼を閉じて真っ直ぐに進む。
ゴロゴロという石の上を進む車輪の音が消え、しかし眼を閉じたまま彼女はゆっくりとしかし確実に馬車一台分の金貨を引っ張りながら「門」の中を抜けていく。
やがて、荷車の車輪が再び音を立てた。
軟らかい土の感触がふくらはぎまでのブーツを履いた足の裏から伝わってくる。
風が頬を撫でていき、ようやく彼女は歩みを停め、深い息をついた。
息を吸い込む。
テ=キサスとは違い、寒い空気が肺を満たす。
目を開ける。
これまで「門」の内側で見ていた風景が彼女の周囲全てに広がっていた。
「すごい…………」
ここは彼女が選んだ場所だ。
周囲は低い塀で囲われ、その彼方に眩く夜を飾る宝石のように人工の、魔法では無い明かりが敷き詰められている。
「綺麗…………」
「門」から見た小さな風景ではなく、眼前広がる広大な「異世界」に彼女は暫く見とれていた。
が、
「君、こんな所で何をしてるんだ!」
眩い光の筒が向けられ、若き女王は自分がうっかり周囲の警戒を怠っていたことに気がついた。
眩い光を避けるために掌を顔前にかざして振り向くと、そこには初老の警備員がぽかんと口を開けて立っている。
「この寒空に君は一体なんて格好を……ああ、そうか、コスプレの撮影か、許可は取ったのかね? まったくこの旧校舎は四方からしっかり施錠されているはずなのにどうやって入ったんだ? 鍵を壊したんじゃあるまいね? 名前は? ここの生徒かね? 他に何人ここに……」
イライラと矢継ぎ早に言いながら腰のトランシーバーを耳に当てて報告しようとする警備員の額に女王はちょい、と人差し指を当てた。
その指に填めた小さな指輪の宝石が小さく燃え尽きる。
警備員の顔から表情が抜け落ちていた。
「あなたは今日も見回りをして、何も見ませんでした。そのままお戻りになられて、いつものようになさってください」
「…………はい」
こっくんと頷き、警備員はそのままふらふらとした足取りで去って行く。
「…………そういえば衛士の人が見回る時間があるのを忘れていました」
子供のようにはしゃいで思わぬ危機を招いてしまったことを恥じ、若きテ=キサス女王は呟いて顔を赤らめた。
そして、荷馬車を、警備員が「旧校舎」と呼ぶうっそうとしたほこり臭い建物の大きな玄関から中に入れる。
かつてずらりと並んでいたであろう下駄箱の形に新しいコンクリの床がその金貨の重みで軋むような音を立てた。
そして
「記憶操作の魔法石はもう三つしかありませんから、注意しないと……」
と燃え尽きた指輪を白い指先から抜いて、革袋に収め、新しい指輪を取りだして填め、ついでに執務服を取りだして身に纏う。
玄関まで戻るとあちこち古びて曇った巨大な壁の姿見の前で自分の身なりを点検する。
口の中で呪文を唱えながら、ゆっくりと、優雅に一回転すると、黄金の蜂蜜を思わせる髪の毛は烏の濡れ羽色に、長い耳はヒト族のそれへと外見を変えた。
正確には肉体を変化させたのでは無く、自分の身体の上にそう見える幻影を纏っただけなのだが。
「服は…………あれが多分、ここでは目立たないでしょうね」
壁から剥がし忘れて残ったと思しい「正しい男女の制服/三年生」と下に小さく書かれたポスターの前に立つと、女王は執務服にも幻影をかけた。
「…………これで、よし」
と腰に手を当てて頷き、女王はとりあえず荷車を引き入れた「部屋」へと戻っていった。
やがて彼女が「先輩」と名乗り「後輩」となる少年に出会うのはこの一週間後のことである。

エルフでビキニでマシンガン!外伝「若き女王の旅立ち」終

電子書籍版「エルフでビキニでマシンガン!」発売記念掌編・その3

エルフでビキニでマシンガン!外伝「若き女王の旅立ち」後編

はかりごとは密を持って成すべし。
ここに誰かを呼んでも学者たちは好奇心から、大臣たちは常識に反しすぎることから混乱して無限の言い争いを始めることは眼に見えていた。
女王は決断し、判断する職務であり、地位だ。
「…………決断せねば」
彼女は呟いた。
「この世界をもっと観察したい、できますか?」
『はい我が主』
声は滑らかに答えた。
『私に残された跳躍用エネルギーはあと一回分しかございません。周到に世界をお選び下さい。他を見ますか?』
「ええ」
彼女が頷くと、風景が変わった。
今度はぐっと親しみのある、石と土でできた建物、北方のソグディアナの風景として見たことがある丸屋根や、ここよりもっと南方にある国の瓦ぶきに似た屋根が続き、大きな箱のようなものがゆっくりと移動する中、前よりもずっと少ない人数……それでも彼女の国の王都にかつて溢れていた人の数よりも多い……が歩いていく。
先ほどの「馬なし馬車」らしきものが通っていくがこの風景の物は車輪がこの世界の馬車のように大きく、細い。
「ここは?」
『先ほどの風景から約100年ほど前です』
しばらくその風景を見つめ、女王はこの世界は馴染みやすいが、今自分が欲しているものは手に入れられない、と判断した。
それから後、「門」は三回ほど別の世界を見せてくれたが時代が遡るばかりだった。
「一番最初の場所の、更に未来にはいけないの?」
『残念ながらそれを行うにはエネルギーが不足しております』
「四つから選べ、ということね」
『そういうことになります、我が主。力不足をお許し下さい』
「……どれくらい選ぶ時間はあるの?」
『選択状態では殆どエネルギーを消費しません』
「………同じ世界の、違う場所を見ることはできる?」
『はい』
そしてその日から、彼女は表向きは「これまでの激務で体調を崩した」ということにして自室に引きこもることにし、実際は抜け道からこの地下の「門」へ毎日やって来ては「行く先」を観察した。(完結編に続く)

電子書籍版「エルフでビキニでマシンガン!」発売記念掌編・その2

エルフでビキニでマシンガン!外伝「若き女王の旅立ち」中編

言葉の意味が判らず、彼女が翻訳魔法を自分にかけると、やがて言葉の意味が判った。
「ようこそ我が主、このシステムゲートへようこそ。移動先は現在運任せの状態です。移動先を選びますか?……繰り返します」
と、あとは同じことを繰り返した。
彼女は息を呑むほどに驚いた。
エルフの女王たるもの、魔法の扱いはしっているし、彼女自身も魔法を使える。
だから断言出来る。
この門は魔法で作動していない。
別の力……稲妻のような気配を漂わせていた……で動いている。
だがどうやって作動させているのか、彼女にはさっぱり分からなかった。
「移動先を選びたい」
『かしこまりました』
そういうとそれまで向こう側に地下の石壁が見えるだけだった門の中にうっすらと煙のように光が集まり始めた。
やがて、そこには昼間のように明るい風景が映し出される。
映し出された映像は、記録水晶よりもそれは鮮明で、それだけでなく、動いていた。
音まで聞こえてくる。
見たことがない直線で構成され、キラキラ光るガラスで表面を覆われているような建物が無数に建ち並び、その間を見たこともない衣装を纏ったヒト族の老若男女が濁流のように移動し、彼らのそばを馬の無い馬車とでも形容するべき、しかしもっと車高が低くて早く、もの凄い音を立てるものがあちこちにむけて走っている。
中には車輪が前後二個だけで、その間に人がまたがる形の乗り物も見えた。
「こ……ここはどこですか!」
『現在の選択肢Aです、前回と同じ場所は使えないのでランダムに選びました』
「…………」
思わず彼女はゆらりと倒れそうになり、慌てて石壁に手を突いて溜息をついた。
いっそ今着用している執務服を脱ぎ捨てて、ビキニのご加護にすがろうかとも考えるほど、気が動転していた。
見たことも無い風景、というのはこれまでも体験としてあった。
だが、ここまで「異様」な風景は彼女の短い人生でも存在しない。
いや、恐らく亡くなった父母、祖父母、あるいは曾祖父母に尋ねても「存在しない」と言い切られる気がした。
同時に頭の奥に明滅するものがある。
かつて彼女の先祖が持ち込んだ「翼」と「竜をも倒す火球を発射する馬なしの鉄の馬車」の話を。
あれは事実だったのだ。
あの直線で構成された建物、雑然と、しかしある種の規則性を持って黙々と歩いていく人の群れ。
横を恐ろしい速度で走り抜けていく馬の無い馬車のようなものの群れ。
しかも今見ていると、風景はみるみる夜になり、ガラスでできたような建物には煌々と明かりが灯り、人々も特に驚くでなくその横を黙々と歩いていく。
思わずいつも手首に着けている「呼鈴」を使って彼女がここにいるとは知らない城の従者を呼び出し、あるいは城にいる数少ない女性賢者をここに……と思ったが考えを変えた。
はかりごとは密を持って成すべし。
ここに誰かを呼んでも学者たちは好奇心から、大臣たちは常識に反しすぎることから混乱して無限の言い争いを始めることは眼に見えていた。
急がねばならないのは門の機能の解明ではない。
自分が門で何を成すか、だ。
いま、自分は決断し、行動せねばならない。
女王は決断し、判断する職務であり、地位だ。
「…………決断せねば」
彼女は呟いた。
「この世界をもっと観察したい、できますか?」(後編&完結編に続く)

電子書籍版「エルフでビキニでマシンガン!」発売記念掌編・その1

 

エルフでビキニでマシンガン!外伝「若き女王の旅立ち」前編

国中の男子が全て死ぬという「大呪詛」から数年、王と男の王族亡き後、小さな国の独立を外交手腕でなんとか守りぬいたテ=キサスの女王が病に倒れ、あっという間に亡くなられて半年、王女……いや、戴冠式をつい二ヶ月前に終えたのでもはや女王と呼ぶべきか……の姿はこの一週間、王宮からも、バルコニーからも見られなくなった。

彼女はどこにいるのか。

地下にいた。

この国の王宮の歴史は長い。保存魔法のお陰もあって建物自体が千年。その下に広がる空間は数千年の長きにわたって保存されているという。
その一室に彼女は閉じこもっていた。

この国には男子がもういない。

それはこの剣と魔法が支配する世界において、「滅び」の道を真っ直ぐに歩き始めたということに他ならない。
幸い、その後生まれた赤ん坊たちは四歳になる今まで死ぬことも無く育っている。
これはこの国にかけられた呪詛の影響が消えたのか、それとも……という話があったが、昨日、この呪詛の効果範囲の外にいたドワーフの男が、宿屋の女将と「深い仲」になるまでは存命だったことから「変質」したということは分かっている。
だとしたら、数年もしないうちに呪詛そのものが消え去るかも知れない。
若き女王は焦燥を微笑みに押し隠し、大呪詛がこの地にもたらされてからずっと打つ手を城の図書館と古老たちの話の中に求めた。
この年若いエルフの少女が賢明だったのは「過去」のみならず「現在」にも目を向けていたということだ。
あくまでも「過去」の伝説や秘宝は、国民の心を安んじさせる手助けになるだろう、と考えたのである。
彼女はそうやって過去の伝説や記録に「救い」を求めながら、同時に外交政策をテキパキとこなし、「男の居なくなったこの国」に対する諸外国の「保護」という名の支配をなんとか避けてきた。
それが変わったのは十日前。王宮の地下に収蔵された品の目録と、図書室にある書物の一文が一致したからである。
「異世界門」
この世界ではない、どこか別の世界に人を送り出し、この世界で三日。別の世界では半年の間そこに居る事ができるうえ、その世界の物を結界をおいた範囲内で持ち帰れる、というものだ。
嘘か誠か、これまで二回、この王国の危機を彼女の先祖はこの門を通じて入手したもので救ったと書物には記録されていた。
ひとつは空を飛ぶ翼。
もうひとつは地上を恐ろしい速さで、馬なしで疾走し、鎧すら貫く魔法の矢をはじき返し、古竜すら撃ち倒す火球を魔法なしで発射する馬車。
どれも王国の危機を逆転させ、その後に壊れて(あるいは壊されて)廃棄されたという。
信じがたいが事実だろう、と今現在、若き女王は考えてる。
なぜなら、今目の前にその宝物があるからだ。
発見したのは四日前。
その巨大な門に彼女が手を触れると、全て精緻に加工された金属の組み合わせで出来たものが青白く輝き、滑らかな女性の声で何事かを告げた。
言葉の意味が判らず、彼女が翻訳魔法を自分にかけると、やがて言葉の意味が判った。
「ようこそ我が主、このシステムゲートへようこそ。移動先は現在運任せ(アト・ランダム)の状態です。移動先を選びますか?……繰り返します」
と、あとは同じことを繰り返した。
彼女は息を呑むほどに驚いた。
エルフの女王たるもの、魔法の扱いはしっているし、彼女自身も魔法を使える。
だから断言出来る。
この門は魔法で作動していない。

(続く)

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18歳未満はアクセスも禁止ですが

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そしてそれから20年以上たっての神野オキナ新刊「エルフでビキニでマシンガン!」もよろしくお願いいたします!

10月の15日に沖縄でコミコンがありました

去年もネタにしたのですが、沖縄のキャンプフォスター内でコミコンがありまして、そのお手伝いをささやかですがさせて貰いました。
どんな感じだったかはこちらに。
何処の国の、どの立場の人間か、なんてこと関係成しにアニメとか漫画とか映画とか造形とか好きな人たちでいいじゃない、というイベントで、取っても楽しかったです。来年どうなるかは不明ですが、やれたら今回はお休みした個人ブースをまた出そうかと思っています。