大藪春彦賞の候補作になりました!

本日付で正式発表となりましたが、第20回、2018年度の大藪春彦賞の候補作として「カミカゼの邦」が選ばれました!

大藪春彦先生といえば、私にとっては「野獣死すべし」でハードバイオレンス&アクションの扉を開いた人で、尊敬する作家さんのひとりです。
銃器に関するペダントリィ、暴力に対する呵責ない描写、乾ききった欲望のままストイックに戦い続ける主人公……今日本に存在する小説、および漫画を含めた映像作品のバイオレンスとアクションものの基礎はほぼ全て大藪先生が最初に描いたものだといえるでしょう。
その名前を冠した賞にノミネートされるなんて!

同時に発表された候補作は

伊岡 瞬先生の『痣』
呉 勝浩先生の『白い衝動』
佐藤 究 先生の『Ank:a mirroring ape』
深町秋生先生の『地獄の犬たち』

と、どれも軒並み素晴らしい作品で、これらの作品と「カミカゼの邦」が一緒に並ぶということ自体が光栄であり名誉です!

これも読者の皆さんのお陰です! ありがとうございます!

 

2018年もよろしくお願いいたします

あけましておめでとうございます。


2017年は結構大変な年でした。そんな中でも「EXMOD」二作、「軍師/詐欺師は紙一重」二作を出して、これまでの作家人生でデビュー作以来になるハードな長編「カミカゼの邦」を上梓することができました。
ここ数年で出版業界を巡る様々な状況は怒濤の変化を続け、個人的に今年は去年以上に波の高い年になると思います。
それでもなんとか小説を書き、本を出し、物語を紡いでいきたいと思います。
読者の皆様、どうぞお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

 

神野オキナ拝

2017年もありがとうございました

お疲れ様です。
今年もあと僅か数時間となりました。
今年は「EXMOD」「軍師/詐欺師は紙一重」をそれぞれ二冊に、執筆までに数年がかり、渾身の一作とでも言うべき「カミカゼの邦」を上梓することができました。
これから先、色々と世の中は移ろい、激しいことが色々起こると思いますが、何とか頑張って次の作品、次の本を書いていきたいと思います。
今年も本当にありがとうございました。

現在、当サイトにある番外編小説一覧

一足遅いプレゼントということで、「エルフでビキニでクリスマス!」を再掲しましたが、当サイトにはこれまで発表してきた小説の外伝や落書きなどがいくつかありますので、そのリンクを下に張っておきます。いずれもそんなに長い話ではないので、今年新たに神野オキナ作品を手に取った方は「オマケ」をお楽しみ下さい。

「リラム~密偵の無輪者~」関連

「エルフでビキニでマシンガン!」外伝「魔法使いの憂鬱」

「エルフでビキニでマシンガン!」外伝「若き女王の旅立ち」

「エルフでビキニでマシンガン!」外伝「鬼神キリノ御年七歳」

「EXMOD~思春期ノ能力者~」外伝「ある日の小日向家」

「EXMOD~黒ノ追撃者外伝」華社美月の風景」

 

番外「疾走れ、撃て!」資料公開

番外2「イコライザー!」没原稿公開

番外3「疾走れ、撃て!」落書き

また「note」にもいくつか番外編的なものを載せています。
いずれも無料公開ですのでお気軽に(ここにタイトルのないものの中には有料掲載のものありますが、外伝系ではありません)

note「アシストロイド写真漫画 ハロウィン2015」

note「アントニアの冒険」(現在未完)

note「プロトタイプ・あそびにいくヨ!」

note「アシストロイド写真コマ漫画その1」

エルフでビキニでマシンガン!外伝「エルフでビキニでクリスマス!」その2


「なんか頭の中で想像すると、それってワンピースの水着型サンタコスプレじゃないのか?」
「ぬ……」
言われてキリノは気づいたらしい。
あ、またいつもの「うっかり」が発動してたな、さては。
こいつは冷静だし、状況の判断は素早いのだが、論争常態になると負けず嫌いの性格故か、それとも豪放磊落なロシアンマフィアのお祖父さんの血なのか、時折「何の為か」がすっぽ抜ける欠点がある。
「ワンピースの水着ってなんですか?」
「ほら、この前先輩に見せた……」
と俺が執務室の隅にある箱を指差す。そこには学校の指定したスクール水着が入っているはずだ。
ぼっ、と先輩の顔が真っ赤になった。
「あああああああ、あ、あれはだめです!」
声が裏返っている。
「あんな、あんな、は、破廉恥な、身体の線と布地を一体化させて見せるようなものはダメです! いやらしすぎます! 卑猥です!」
きょとんとキリノは俺を見た。
「どういうこと?」
「いや、俺にも分からん」
人の美意識というのは文化をひとつ隔てると無限の段差を生むもんらしい。
「肌の露出は減るのに?」
「肌の露出はいいんです! あのぴっちりと身体の線を協調するのは駄目です!」
「露出するほうが駄目だと思う」
「人の素肌は自然のものです、あんな……あんな……うっすい布地でぴったりと……ああ、なんていやらしい!」
「確かに身体のラインが出るから、嫌らしいと言えば言えるけど、あの紐ビキニのほうが卑猥だと思う」
とキリノが当然の疑問を投げかけるが、先輩は「駄目な物はダメです!」と怒りそうになった。
まあまあ、と俺は割って入ったが正直これじゃクリスマスは難しいな、と思った。
「んー、だったら聞いてみる?」
意外な助け船は机の上からやって来た。
「あたし、戦女神のビ・キニとはダチだし。実際呼び出して聞けばいいじゃん?」
「おい、サブリナそんなこと出来るのか?」
「できるわよー」
それまでぺたんと座っていた二頭身のカウガールはひょいと立ち上がった。指笛を吹くと、スレイプニールという名を持つ、彼女の付属移動ユニット……というより同じ様にディフォルメされた子馬がテーブルの下から飛び上がると、とったかやって来て停止する。
「少なくともヴァルちんは知り合いだし、あたし霊子周波数しってるから実体化させて直接指示が意見聞けるよ」
「霊子周波数?」
「あー、ほら彼女たち『神々』が人の想念が霊子って言う素粒子のひとつに働きかけて生み出されたって話はしたでしょ?」
「まあな」
「で、で、素粒子や量子は『波』…………だから神々の個性ってのは周波数なのよ。かつては未整理でノイズも多かったから普通の人類にも見えたし声も聞こえたんだけど、今は人の思いが長年積み重なって純化してノイズがなくなったから殆ど見えなくなったの。でも事象は発生する、と…………電波自体が放送局になって永遠にこの辺りをうろちょろしてるって考えて頂戴」
どうにも納得しかねる話ではあるが、そういうことにしておかないと話が前に進まないので俺は頷くことにした。
「つまりあれか、電波の受信装置があればラジオやテレビみたいに姿形が見えて、話もできるって事か?」
「そういうことそういうこと」
こくこく、と二頭身カウガールは頷いた。
「なあ、その理屈でいうと神様と幽霊の区別が……」
「じゃーはじめましょー!」
俺の疑問をしれっとサブリナは無視しやがった。

 


その翌日、サブリナは学校砦の運動場…………今は訓練場と呼ばれる……のど真ん中に、砦周辺の街を作るのに使った木材の端切れを組み合わせた奇妙な祭壇を築き上げさせた。
祭壇と言えば聞こえは良いが、それは適当にな木の端材を縄や釘で打ち付けて作り上げた幅6メートル、高さ10メートル程の「鳥居」だ。
どう見たって、鳥居だった。
その根元に、理科室にあったニクロム線を突き刺し、端っこを古ぼけたAMラジオのハンドル部分に巻き付けている。
で、サブリナ当人はと言うと、アンテナを掴んで周波数のダイヤルを回しているという有様だ。
「おい、これで本当に何とかなるんだろうな?」
「だーいじょーぶだいじょーぶ、どれくらい大丈夫か、っていうとね、あるじ様が毎朝健全な肉体反応として、股間がビッグ……」
ぱあん、と派手な音がして、サブリナの頭にスレイプニールが(どうやって蹄でそれができるのかは俺にも不明な超科学力で)持ったハリセンが炸裂した。
「サブリナ、言動が下品である」
「しかたないじゃんよー、あたしの人格は19世紀末のテキサスっぽなんだからー!」
「お前のバグは仕方がないが、あるじ様への無礼は無礼である。それを修正するのが私の仕事である」
べしばしぼしぼし。
「うう、あたしって不幸……」
……のわりにはサブリナは楽しそうな気がするんだが……まあいいや。
とりあえず暫くそういうドツキ漫才を間に挟みながらサブリナは「チューニング」をしていたが、
「おっけー、みつけたー」
と声を張り上げた。
すると子供が自棄を起こして壊した物を不器用な親が修復したような歪な形の鳥居の中に青白い火花が散った。
ゆっくりとそれが人の形を取り始める。
長い銀色の髪、整った顔立ち、切れ長の目、そして……呆れるぐらいにぺたんとした胸元。
青地に金色の模様が入った鎧と兜。
兜とスラリとした素足の先を包むサンダルの踵には白い翼。
そして手には長い槍。
「ああ、なんてことでしょう! あれは戦女神ビ・キニ様!」
そう言って先輩が地面に両膝を突いた。
校庭に集まっていた物見高い人々も、衛兵もみな膝を突く。
俺でさえ事情を知らなかったら膝を突いたであろう神々しい雰囲気。
閉じた目を、彼女が開くとそれはいっそう強まった。
『私を呼ぶのは……だれ?』
声は涼やかで、穏やかで、それでいて戦いの時は雷鳴のごとく轟くであろう張りを持ったものだった。
『私を受肉させるとは……よほどの思いの力が無ければ……』
「おひさー!」
その答えにしては随分ぞんざいな声が響く。
『おお…………我が友、サブリナではありませんか。久しいですね』
「ホントにねー」
スレイプニールにまたがると、サブリナはとてたかと彼女の足下に駆け寄った。
『なるほど、あなたなら私を一時受肉させることができますね』
女神は神秘的な無表情のまま頷いた。
知り合いというのは本当だったらしい。
「随分と純化されたねえ」
『ええ、人の思いが私をここまで進化させました。素晴らしいことです。人の思いは奇跡を呼び、神をも生むのです』
「ところでさー。あんた。名前通りビキニ好きだったじゃん」
お前、そんな言い方はないだろう!
思わず俺が突っ込もうとする前に、神秘的な無表情のまま、女神ビ・キニはこっくんと頷いた。
『ええ、大好きです、あれは、良い物です。だから加護の力を与えたのです【男は鎧え、女は見せよ】と」
そこは神様として、ちょっと叱るとか、怒るとか、落雷のひとつもこいつに浴びせて欲しいんだが……。
「あのさー、ワンピースどう思う?」
傍若無人にちびっ子カウガールは続けた。
『ワンピース? 服のことですか? それとも遠い昔、あなたが話してくれた……』
「ああ、違う違う、マンガじゃなくて、服じゃなくて水着」
『……見たことがないので、何とも』
「こういうの……ヘイ! キリノさま、かもーん!」
ぴしっと指を鳴らすと、それまで何処に隠れていたのか、足首まで覆うようなマントに身を包んだキリノが現れた。
マントを取り去る。
そこに現れたものを見て、学校砦の関係者全員、つまりテ=キサスの国民だ……に動揺が広がる。
「なんて破廉恥な!」
「い、いやらしい……」
という先輩同様の発言が飛ぶのは予想の範疇だったが、
「綺麗……」
「色っぽい…」
「キリノ様、綺麗……」
という声も聞こえて来た。
「これが、ワンピース水着……この世界の常識じゃ、今の所この格好は破廉恥らしいんだけど、あんた的にはどーよ?」
切れ長の目で、じっとビ・キニはキリノを見た。
やがて、つかつかと歩み寄ると、キリノの周囲を大型犬が主に久々にあった時のようにクルクル回る。
顔を近づけ、首を傾げ、あちこちをのぞき込み、挙げ句はしゃがみ込んでキリノの背後から見上げるような仕草をした。
なんか、この女神、おかしいぞ?
段々女神の目つきがおかしくなってきた。
血走ってきたというか、瞳孔開いてきたというか。
やがて、俺が何か言う前に、女神ビ・キニは立ち上がり、つかつかとまた、元の位置に戻ってきてサブリナを見下ろした。
『見ました、彼女の着用している物がワンピースなのですね?』
「そ、あれも水着の一種…………で、アレを着用しているキリノ様はこの水着は恥ずかしいものではない、って言ってるんだけどあんたはどう判断するの?」
サブリナの言葉に、女神の表情が動いた。
(続く)

エルフでビキニでマシンガン!外伝「エルフでビキニでクリスマス!」再掲のお知らせ

去年、期間限定で掲載しました「エルフでビキニでクリスマス!」を本日から再掲いたします。
少々手直ししたり誤字脱字を修正してたりしますが、基本去年のものと変わりありません。
今回の掲載は引き上げることはせず、そのままにしておきますので、いつでもご覧出来る様になります。
どうぞお楽しみ下さい。

Kindleの半額セール無事終了

お陰様でAmazonのKindle版「カミカゼの邦」の半額セールが無事に終了しました。 瞬間最大ではありますが、それまで5千位~4千位代だったものが、日本の文芸、小説のKindle売り上げ7位にまで上昇することができました。 これも全て皆様のおかげです、本当にありがとうございました!(写真は私が個人で確認した最高順位の時の画像)


このAmazonさん主導の半額セール、以前も申しあげたとおり、それまでの定価での売り上げがなければ選ばれませんし、RTして下さる方々がいなければ広まらず、買ってくださる方たちなくして順位上昇はあり得ませんでした。

本当にありがとうございました。

そして神野オキナ作品を、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

なぞのよこくその3(笑)

そういうわけで続きです。番号がおかしいのは気になさらず(笑)

そういうわけで、「ウィッチアームス」というゲームでシナリオを書きました!
嘉和ヱリスという、エリスのようでエリスでない、でもちょっとエリスというキャラクターです。お楽しみに!
細かいデータはこちらから!

生まれて初めて審査員になりました。

地元の放送局である、RBCさんが主催し、、地元企業「株式会社ぐしけん(一般的には『ぐしけんパン』の名称で知られています)」さんの協賛で開催される「RBC SFファンタジー大賞」の審査員にえらばれまして。昨日、11月6日に、その授賞式および記念番組のラジオに出演してきました。(写真は出演者控え室)

作品はどれもが力作ぞろいで、それだけに審査員長の上原正三先生(ウルトラQやゴレンジャー、キャプテンハーロックの脚本家!)先生や映像作家の宮平貴子先生など、ケンケンガクガクの審査となりましたが、それだけあって納得の各賞受賞作となったと思います。

しかし、私ごときが人様を選ぶ立場になるとはなあ、と感慨にふける間もなく、来沖なされた上原正三先生に、私物の「上原正三シナリオ集」にサインをしていただきました!
「腱鞘炎のせいで字が上手く書けない」と上原先生はご謙遜なさってましたが、立派なサインで!


心配していたラジオ番組の収録も、地元アナウンサー土方浄さんや、ラジオスタッフの皆さんのお陰でぶじに終了しました。
印象的だったのは地元のタレントの人がふたり受賞していたこと。
本業ではないことに興味を示す人がそれだけ増えたということであるというのは感慨深く、また色々考えることでもありました。
そして、どの受賞者の人たちも皆はっきりとした受け答えが出来る人というのも、沖縄に住む人々の変化を如実に感じました(何しろ15,6年前まで、沖縄は【バラエティ番組におけるインタビュアー泣かせ】で有名な、シャイで話したがらない県民性でしたから)。
ラジオ番組放送後、上原先生とは少しお話もさせて頂いたのですが、テンパっててこちらばかりが喋るようなことになってしまったのは汗顔の至りでありました……(;´д`)トホホ…

事実は小説より手抜き

BSで「ホワイトハウスダウン」を見ました。
まだホワイトハウスの主がオバマ大統領だったコロの映画。
C・テイタムの前半の駄目父さんぶりと中盤以後のダイハード(何しろランニングシャツ姿ですから)な派手さと、大統領の軽妙洒脱さ、さらにベテランシークレットサービスのジェイムズ・ウッズの渋さが光る作品です。
チャニング・テイタムという人も不思議な役者で、こういう作品にも出れば冗談みたいな役柄を嬉々として演じたりもするのでした。

テロリストたちがまるっきり客の携帯電話を気にしていないというのはご愛敬。
さて、ホワイトハウス襲撃犯の正体が過激右翼がメインで、さらに彼らには軍産複合体が裏から銭を出して、という設定。
最終目的は金と中東への一斉核攻撃による「恒久的な世界平和」というのが当時は「壊れてる」とされていたのも時代ですね。
最後は裏で糸を引いているやつらもまとめて大統領がやっつけるよ、というラストになるわけですが、その数年後、わざわざテロリストなんか送り込まないで、あっさりと国の主導権をとって、ホワイトハウスの主はそういう人になっちゃうわけですから、事実は小説よりも奇なりというか、手抜きといいますか。