お疲れ様です、神野オキナです。
先月、ようやく全てのデータを入稿して、神野オキナ初の自主流通本「塔を行く者」を5月中旬に世に送り出すことができることとなりました。
久々のファンタジーです。「箱国」と呼ばれる巨大な建築物の中に町だけではなく山や川、畑まで納まったものが山のように乱立して独自の生態系と社会を成している世界を舞台に最も強力な「知識」「技術」を王侯貴族に独占させないために「憶えて」「盗む」ことを生業とする「知盗者」の少年と、そのバックアップと、逃がすことを仕事とするを少女を主人公に、刃が煌めき、黒色火薬が炸裂し、炎が揺らめくアクションファンタジーとなっております。
表紙絵と口絵は桐嶋たける先生。帯付きカバー付きの文庫サイズです。
この本は文化庁の「文化芸術活動の継続支援事業」の支援金によって作られた本ですので、無償提供となります。
紙の本がオンデマンド製本により、限定100冊、電子書籍版もデータを公開して皆様にお送りする予定です。
なんでこういうものを作ったのか、といえば、私がこういう、かつて「ヤングアダルト」「ジュブナイル」と呼ばれたジャンルが、今でもやはり好きだから、というのがあります。
独自の世界設定、ユニークな仕掛け、手に汗握るアクション……というものは今もなお、小説世界における至上の輝きではありますが、今、それを「小説家になろう」や「カクヨム」などでの連載、という名の長い宣伝期間を経ないで世に送り出しても、出版社の利益に結びつくことは難しい世の中となりました。
近年、商業作品の軸足は一般向け小説にシフトしつつありますが、それでも新しい作品としてこういうジャンルのモノも世の中に送り出したい、でも「ただ書いただけ」では求めてくれるかも知れない読者の元に届かない……となれば、どう「世に送り出すか」が大事になります。
しかも昨年はコロナで、皆様ご存知の通り、すっかり世の中自体が停まりそうな重苦しい年でした。
そこで、「何かしないといけない」ということで文化庁さんのこの事業に飛びついたというわけです。
面白い作品が出来たと思います。
この本は榊一郎先生の「キャラクター創造論/キャラクターのレシピ!」と同じ「自主流通本」というカテゴリーに入るモノです。
無償提供は今回のみで、この次の本からは有償にはなりますが、神野オキナから直接「卸す」ということで一般書店さんでも、同人誌専門店でも置いていただける仕組みを作ろうと思っています。
先週ツイキャスでこのことをお話したところ、早速手を挙げていただいた北海道の書店関係者の方がいらっしゃいました。ありがたいことです。
Twitterの当アカウントの記事のRTのみでも結構ですので、こういうことを神野オキナも始めたよ、ということで、皆様、世の中に広げていただければ幸いです。