「リラム~密偵の無輪者~」続報その1

7月15日にカドカワのNOVEL ZEROレーベルから出る「リラム~密偵の無輪者~」は色々な意味で「新しい」ことをやっております。

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そのひとつが「神」と「魔法」が存在しない、しかし中世~近世ヨーロッパのような世界観での異世界もの、ということでした。

この時代の権力者の代表である「王」も神無しでは存在し得ません。

大雑把にいえば王は基本、神の名において統治を許されるからです。

王がなければ国もなく、何よりも宗教がありません。そして「魔法のような技術」はありますが「魔法」と「魔法使い」もいない、としました。

ですが、それでも中世~近世ヨーロッパのような社会は作れるはずです、まして本当の地球上の歴史ではなく、ファンタジーですから。

この冗談みたいな発想に突破口を与えてくれたのはちょっとした視点の変更でした。

加山雄三の時代劇というと

岡本喜八作品に「戦国野郎」という傑作がありまして。
戦国時代の荷運び人足連中をアメリカ西部開拓時代の「幌馬車隊」に見立てて、それに抜け忍の青年を絡めて……という痛快娯楽時代劇。


岡本喜八監督は時代劇でも傑作を幾つも撮ってて、遺作になった「助太刀屋助六」は元々白黒版で作った物のリメイクだそうです。
あとでご本人が「長すぎたのでカットしたテレビ放送版が完成品」と言い出すという普通のディレクターズカットとは真逆のことをした「EAST MEETS WEST」も含めテーマとして「時代劇とウェスタン」があったのは間違いないと思っています。

そんな岡本監督はUFOに絡めた陰謀論もの「ブルー・クリスマス」も作ってまして(ただ、これは脚本の倉本聰さんがワンカット、シーンはおろか、一言一句台詞を変えさせないため、現場に立ち会うので往生したそうですが)。

そういうことを踏まえると非常に感慨深い?のが日清の最近のCM

かつての「若大将」でもある加山雄三と、今何をやっても期待される佐藤健が共演というのもステキですが、こういう破天荒なCMにしちゃうあたりが日清。
よく見るとライティングは黒澤明風ですが、テンポの良さとかは岡本喜八っぽいといいますか、岡本監督がモダン過ぎたと言うことかも知れませんが、というか(笑)

 

個人的には岡本喜八時代劇は「戦国野郎」もそうですが、お話の大筋は「椿三十郎」と同じながらあちらと違ってほの温かい笑みで終わる「斬る」が好きです。

というわけで07月15日に新刊発売です!

これまで、
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こういう小さな西E田さんのキャラ案の映像でしかご紹介できなかったNOVEL ZEROさんでの新刊、「リラム~密偵の無輪者~」の書影が出ました!

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NOVEL ZEROさんは表紙が帯に印刷されているので、帯を外すと無地のジャケットのみになるという「大人が電車内で読んでも恥ずかしくない新しい小説」となっております。

そういうわけで、小説屋としても頑張らせていただきました。

大きな二つの国に挟まれた小さな国が、片方からは見捨てられ、片方からは狙われるという状況で、戦争ではない解決方法を探るべく主人公達が奔走するという物語。

大きな特徴は「神」と「魔法」がなく、当然のごとく「神」に保障された「王」も「国」も無い世界ということと、それらに変わって「経済」が全てを支配するファンタジー社会、というのを大真面目にやってみました、ということ。

興味のある方は是非、お買い上げの程をどうぞよろしくお願いいたします。
かなり面白い物が作れたと今回自負しておりますので!

リラム~密偵の無輪者~NOVELI ZEROページ

 

もらいもの記念

大分前になってしまいましたが、知人のモデラーさんから、こういうものをいただきました。

 

 

 

2016年2月22日-010

 

コトブキヤの「ホイホイさん」シリーズのひとつ「ペストXさん」を改造したエリスです。
思えば当初、アシストロイドは「ホイホイさん」みたいなエリスのSDタイプの筈でしたが、放電さんが知らなかったためこのデザインになったといういわくを考えると感慨深いものがあります。

一説には「自作すると商品化される」というモデラー業界のジンクスがあるそうですが、さて、ウチの子はどうなんでしょうね?(笑)

いやぁな夢

なんか久々にねっとりと絡みつくような空気の夢を見ました。
悪夢は人に聞いて貰うと消えて亡くなり、聞いた側も徳を積む、という話もありますんで(何処で聞いたかは覚えてませんが)まあ、お目汚しを。

時間帯は夜、時代は今(というよりここ数年のどこか、という程度の世界観)
久々に上京、いつもは沖縄にいる知り合い達と偶然にも同じ飛行機で暫くどこかの街(歌舞伎町と神田を足したような場所)で食事した後近くの公園で散歩してると気がつけば携帯がない。

慌てて公園事務所(ここが木のカウンターがあるような古くさい場所)に駆け込むとよく似たデザインだけど別の携帯の落とし物。

電話が掛かってくると、女性でどうやら私の携帯を持っているらしい。
しかも一方的に相手は自分を知っている。
非常に粘っこい、人を小馬鹿にした口調。

今すぐ交換してくれないと明日から困る(電話帳も飛行機のチケット用バーコードもその中なので)から頼みますというと言を左右にしてなぜか取り合ってくれない。電波状態が悪くて切れる、電話をし直す→相手ば根性悪く、ノラクラして居場所さえ明かさず、会ってくれない(困っているのは向こうも同じなのか?)→どうしようか、と思っていると、どうやら「預かり料」が欲しいらしい。
明日には仕事の打ち合わせで人に会わなくてはいけないし、お金が無いから(夢の中なのに!)今夜中に取りもどさないとどうしようもない。
だんだん腹が立ってきまして。
これはもう恐喝だよねということで走って交番まで行くと、ここの管轄で起きたことじゃないからよそへ、と言われ歩いていこうとすると別の警官が「話は聞くよ」といってくれて、中に入ろうとしたら相手からの電話がかかりこれを恐喝の証拠として録音して貰おう(あるいは警官に聞いて貰おう)……という所で目が覚めました。

なんか凄くいやあな、悪意だらけの手触りの夢。

お金が無いのは首が無いのと同じ

と昔の人はよく言います。

最近父を看取ったせいもあるかもしれませんが、最後の十数年を一緒に過ごした身としては、お金があればそりゃ最後は国に取られるかも知れないけど持っておくよね、というのが実感です。

父は酒も煙草も飲み放題のやりほうだいで50代の終わりあたりから「どうせあと2,3年ですぐ死ぬよ、好きなようにさせてくれ」が口癖でしたが、結局それから30年近く生きました。
家族としては色々な幸運が重なって(中でも大きかったのはあそびにいくヨ!という作品を読者の皆さんが愛してくださったお陰で作家で人並みの収入が得られるようになったことです)最後まで看取ることができました。

しみじみ今思うのは実は死ぬ事よりも怖いのは「うっかり中途半端な健康状態で(あるいは悪い健康状態で)生き延びてしまうこと」じゃなかろうかと。

比較的健康な人でも、歳をとると、まず病院に行くようになります。
毎月、数万円かかることも。さらに病院へ行くための交通費も。

足腰にガタが来て台所に立つのが辛くなれば給食サービス、あるいは外食、ということになります、これもまた数万円でていきます。

そうなると今度は階段の上り下りがつらくなりますから一階に、あるいはエレベーターの付いた物件に、それでも辛くなってくれば、老人ホームに入ることになります。

これで寝たきりになればおむつ代だのなんだのでさらに上積みがされる。

では、面倒を自分で、自宅で見るか? となればこれはもう介護自殺者が出るぐらいキツい。

ついでに言えば親にとって子供は永遠に子供ですが、子供は子供ではいられません。社会に出て働けばそれなりの自分の生活リズムが出来ますし仕事の都合もあります。

そしてどんなに出来た親でも自分のリズムで生きている以上不都合が生じるのは避けられません。

そして親の都合に合わせなければいけないというのは、時にかなりのストレスです。

また結婚していたとしても、自分の親の負担を血の繋がらないパートナーに求めて良いのか、は疑問です。少なくとも当然ではないでしょう。

となれば老人ホーム特別養護施設はこれから「当然の選択肢」になります。

ですがそれは「自分のやるべきことを他人にお金を払って代行して貰う」ことです、つまり最終的な責任は自分にありお金も自分が支払う。

六畳一間でも一ヶ月暮らせば食費光熱費込みでどんなに安くても8万ぐらいはかかるものです(沖縄・2016年現在)。毎月の費用が安いところは、入居料金に目の玉が飛び出るような金額を請求されます(私が見た最高額は六千万でした)。さらにこの中におむつ代などは含まれません。
生活保護と年金を組み合わせれば、と思う人もいるでしょうが、年金は「収入」なので生活保護からしっかり差し引かれます(これは市役所の窓口で確かめました)。国民年金に加えて企業年金などで毎月の収入が、生活保護の金額を上回る場合、生活保護は受けられません。1円でも。

そして、生活の質を下げるというのは非常に難しい。まして老人です。

私もこの十数年、見えるお金、見えないお金を大分支払いました。
父もまた、最初は母、次に祖母の最後を看取るためにこれ以上のお金を支払っているはずです。

さて、父には私がいましたが、結婚もしてないし子供もいない私には、私がおりません。

偉い人がいうように、お金がある人は老後にお金を使って趣味をするのもいいし、見つけるべきだろうなあと思ういますが、それがない人は老後どうすればいいのやら。

もしも自分が働けなくなって老後を迎えたら、と考えると途方に暮れます。

生活保護に頼って生きている人がそれをやれば「生活保護のくせに」と叩かれるご時世、人間らしく生きるってのはなんなんでしょうね。

とりあえず、それはそれとしてお仕事をしましょう。

それ以外今の所出来ることはないので。

「帰リキタレ」の時代

前の日記にも書いた母の一件もあって、図書館に通って64年~66年までの新聞をアレコレ読んでると、復帰前の沖縄の猥雑さと不便さと混沌さがよく分かります。
あと、少し遅れてやってくる日本本土の流行や思想の波とか。
でも中でも切ないぐらい目立つのが「日本(本土)の」という言葉が頭に付く広告です。
{本土(あるいは内地)と沖縄を結ぶ」「本土(内地)と同じ」「本土(内地)でも大人気」「本土(内地)でも売られている」「本土(内地)で大評判」あるいは「日本でも有名な」……これらの言葉が並ぶ広告がかなりの数あります。
さすがに全てコピーできないので、ここにあるのはごく一部ですが……

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最後の1枚は広告ではありませんが、当時の沖縄県民が少しでも「日本人であることに浸りたい」という切なさが今となっては浮き彫りになる新聞記事だと思います。

さて、有名なブラッドベリの連作短篇「火星年代記」の中には、地球で大戦争(終末戦争)が起こっていて、豊かで平和に暮らしている火星に移民してきた人々が地球を見ていると、光のモールス信号で「帰リキタレ」という言葉が毎日届くようになり、最初は「馬鹿な話だ」と口々にいいつつ、結局みな、平和で安全な火星を棄てて、殆どが地球に帰ってしまう、というお話があります。

これらの広告や記事はほぼ全て沖縄側が作っていますが、地球からの光モールスと同じ様に「帰リキタレ」と当時の沖縄県民に訴えていたのでしょう。米軍統治下から抜けだして、日本に帰れ、と。

それはかつて「沖縄県民カク戦ヘリ」と賞賛を受けた戦前の人たちらしい愚直なまでの生真面目さから来る誇りだったのか、それとも連日のように(これはそう表現するしか無いぐらい本当でした)幾つもの米兵がらみの事件が起き、爆音が鳴り響き、自治も権利も認められないという環境から脱出したいという心が生み出した希望と自己暗示だったのか。

ともあれ、このほぼ10年後沖縄はアメリカの正式な領土になる事も他の国のものになる事も、当然のことながら独立も拒否して「日本」に戻ってきます。

そして皮肉にも「本土のカレーいよいよ沖縄でも!」と鳴り物入りで発売が開始されたオリエンタルマースカレーは今現在、沖縄のみで販売が続くという事態となりました。
が、それもまた「帰るべき日本本土」への憧れが維持させてしまったのでしょうか。

その昔ゴールデン洋画劇場で

見た「おっかないユル・ブリンナーの映画」となると「ウェストワールド」。


ロボットだけで出来た西部劇のテーマパーク「ウェストワールド」に休暇を取って遊びに来たサラリーマンたち。
実社会ではどんなにヘタレでもそこでは一流のガンマンで、最後は悪党で早撃ちのガンマンであるユル・ブリンナー扮するアンドロイドを決闘でやっつけて(相手の反応速度はお客に合わせて変化)スカッとしてお帰り……の筈が、仲間のひとりが射殺されて……というお話。
「荒野の七人」以来お馴染みになった黒づくめの格好をしたユル・ブリンナーがそれまでとは真逆の冷酷非情な殺人マシンを巧妙に演じており、このイメージが後の「ターミネーター」を生み出す無数の要素のひとつになったとも言われております。
子供の頃吹き替え版を見たきりですが、完全停止していたロボットの住人たちが主人公達が起きる時間になるといきなり動き出して騒々しい西部の街になる場面や、メンテナンスルームでパカッと顔が外れて中に電子機器がある、というショッキングな場面、ラスト、全てが終わった空間に鳴り響く「とっておきのバカンス!」というウェストワールドのCMの音声が印象的でした。

で今度HBOというケーブルテレビのチャンネルでテレビドラマになるようで。
今時らしく女性が主役らしいので他にもどう捻っているかが楽しみです。
ユル・ブリンナーが演じていたアンドロイドのガンマンは今回エド・ハリスが演じていて、乾いた凶暴さが増してる感じですがさて。

ちょっと公開中


去年集英社ダッシュエックス文庫で出しました「イコライザー!」の第一巻には没原稿が100枚ほどあります。いくつかの場面は再利用したんですが本編はほぼ丸ママ載らないことになりました。
一種のパラレルということで楽しんでいただければ幸いです。
できればこれもどこかで続編を出したい所なんですが……

イコライザー! 没原稿(上)|神野オキナ|note(ノート)