沖縄コミコン当日

2017年10月15日
ウトウト眠って6時起き。
念の為着替え用のTシャツを二枚、展示用模型を移送するためのバッグに放り込む。
余裕があるんで、とのんびりした結果、時間遅れて玉盛さんにピックアップしていただく。

08時前に現地到着。今年はゲートで揉めることなくスムースに入れた。
設営、といっても今年の荷物はふたつなので大変暢気。
なお場所は体育館。バスケコートが四面入るぐらいの大きさですが建築が古いのでクーラーが無いという地獄の開始でもあります……(当日気温32度)
今年は近くの角ふたつに工場用スポットエアコンを作ったので……と思ったらその効果をあげるためかガッシャンとシャッターが閉まり。結果無茶苦茶な汗を掻くことに。
もうこめかみの辺りに幾つか穴が開いていて、そこからどばどば水が出る玩具になった感じで汗が噴き出る。
そんな中、QuestionNo.6先生と横田守先生、ザマ・ケイ(座間慧)先生にご挨拶。SHAZAM!のSEN先生への手土産を忘れて後悔。
何か大きなイベントがあるとき、必ず細かい忘れ物をするのは何故か。
楽団の演奏はリハーサルからチェック。
ただし回線が細いのか全然投稿がTwitterにもFacebookにも上がってくれない。
仕方ないのでWi-Fiをきる(これが間違いの元で、さらに回線が細くなった上、恐ろしく早くバッテリーを消耗する一因になった)。
そしてまた充電用バッテリーは持って来たのケーブルを忘れる私。
かくて開場。
一発目はど定番の「スターウォーズのテーマ」
そして日米友好の代表曲として、例年通り真っ先にこれがかかるので感無量。
https://twitter.com/OKina001/status/919530739451834369
その次がこれ。
https://twitter.com/OKina001/status/919566334358298624

カウボーイビバップの「TANK!」も演奏してたけどこっちは微妙なアレンジな上、動画が何故か縦長になっていた。
楽曲では「進撃の巨人」の海外での人気の強さを再確認。コスプレイヤーも多数。
どんな体型の人も、どんな出来の衣装の人もみな一様に「楽しんでる」感が半端なく、見てるほうもニコニコしていられる。
模型展示コーナーは盛況。県内模型サークルの模好人(もすきーと)さんの展示はユーモア系もあり、ガンプラメインと言うことで若い世代からお年寄りまで。
そしてマシーネンクリーガーの大ファンでワンフェスではオリジナルキットまで出すディーラーでもあるHさんの展示はやっぱ渋いものが好きそうな人が注目(中に「レゴでマシーネンを作ってる人をwebで見て興味が湧いた」という人あり)。
面白かったのは70近いお祖父ちゃんが「ガンプラは素晴らしいから作るが、ガンダム本編のアニメは見ないんだ!子供っぽすぎてね!」力説してたこと、ナゼそれをいうのよ?……いやとりあえず「自分」を語るのはあちらの方らしい「好き」の表現ではありますが(笑)
私がお邪魔したTさんの卓はオールディーズSF&オタメカがメインと言うことで、懐かしの模型メーカーオリジナルなプラモデルや、ケナーの「お友達サイズ」エイリアンなどが多数並ぶ。「マッドマックス」のインターセプターと「カリ城」のフィアットが人気の被写対象。
フォトフォト
フォト
マクファーレントイズのフィギュアとバイクを改造&改良した「アキラ」の有名なイラストを再現したものは、やっぱ渋いもの好きそうな人の熱い視線を受けておりました。

で、もう一つ熱烈な視線を集めていたのが「ロボテック」の展示物。ウチのモンスターもこれに入りますが、中でもタカトクのバルキリーの完全変形玩具をレストア&再塗装したものが「俺これ持ってたよ!」「まんだらけで買い直した!」という人が続出。
中には「子供の頃から大事にこれ持ってたんだけど、別れたカミさんに喧嘩の時、粉砕されたんだ……」というアメリカンな事情を語りつつ遠い目になる人も……。
フォト
そしてお隣のStudio Gazeroさんのディフォルメガンダムシリーズは万人に大人気。個人的には一緒に展示されていた『エージェン・オブ・シールド」のコールソンとメイが素敵でした。特にメイの目つきの悪さ!(笑)
フォトフォト
さてトコトコと会場内を回ってて、玉盛さんと保里さん(地元で活躍しているイラストレーター)が主催したお絵かきコーナー、落書き用の大判紙に、ひとつだけ大人げないぐらい上手いワン○ースのイラストが描かれていて「?」と首を捻る※。
フォトフォト
そして唐突に生・野沢雅子。アイデンティティのひとじゃないです、モノホンです。
ホントに来てました。ただし一般客による撮影録音一切禁止、何を受け答えしたかの記録禁止(契約上の理由だそうで)。
ふだんは温厚そうなMCCSの人たちが鋭い目つきで警備してました。
考えてみればうちの小説、「カミカゼの邦」の主人公、渋谷賢雄もパラレルワールドではこのコミコン会場にいる可能性があるわけで。
願わくば何事もなく、来年も再来年も、数十年後もこうしてコミコン開催されてるといいなぁ、と柄にもないことを思ったり。
それはさておき。
同じ敷地の別の場所にいる知り合いのご夫婦が野沢さん目当てに来ていたので電話をかけるが一切応じないので慌ててそこまで走って呼びにいったので、舞台を見ていられたのは数十秒、それでも生の野沢雅子さんでしたよええ。
戻ってくると野沢さんはすでに退出(正直あの暑さは、普段中東いってるはずの海兵隊員でもウンザリ顔するぐらいなので、60を超えた人には危険だから当然の対処だと思います)。もっと涼しいレストランの入った別施設でのパネルディスカッションと握手会の開始時間と注意事項をMCCSの人に説明して貰いました。
ご夫婦はそちらへ早めに移動。無事にパネルディスカッションに参加出来たそうですが、もの凄い盛況だったそうで(後で青ニプロのTwitterに写真が上がってました)
https://twitter.com/aonipro_kaigai/status/919496561955966976
18時閉会。私は持ち込んだ荷物はふたつだけなので気楽に身支度を終え、玉盛さんのお車で送って貰うことに。
途中ラジオから「声優の○○さんは○○年生まれ……」と国民的人気番組の主演声優さんのプロフィールが流れ、このところ漫画家さん、作家さん、役者さんの訃報が多かったので。「おいおいまさか!」とふたりして緊張しましたが、そのアニメの展示会をやるため、ロングインタビューが流れるその前振りで安堵。
そして苦笑。人間幸せな気分の時ほど不幸を怖れるものなんですな。
さらに、この時点でまだ20時にもなっていないと知ってふたりとも改めて驚く。
ふたりとも東京にいるときの体感時間になっているため、もう22時を過ぎている気がしていました。
家に戻り、荷物を置いて、取り急ぎ風呂には行って身体中に膏薬を貼り付け(特に団扇で扇ぎ続けた両腕と足の裏)、倒れ込むように眠りに。
まあ、しんどいけど楽しい一日でした。来年は個人ブースで出展出来るようなネタがあるといいなぁ。

※閉会後、東○の作画監督の人がたまたま遊びに来て描いたものと判明。

沖縄コミコンまでの数日間

2017年10月12日
愛用していたクロックスの底がすり減って、穴が開きそうになっているので、新しいのを買いに行く。
中途半端な値段ものより、と言うことで一番安い980円の安物を買ってみる。
コミコン出品用(今回も去年に引き続き模型サークル枠なので)に三日前からチマチマ組み立て、スプレーでオリーブドラフ塗装まではしていたメタルボーイ製SD版デストロイドモンスター(数年前WF会場で購入)を完成させる……が、最後の仕上げ段階でシタデルの塗料が死んでいて、塗膜が透けて厚塗りになり偉い酷い出来になってしまう。
ウェザリングでもごまかせぬ。筆ムラも酷い。再塗装だなあ。
腰痛までし始めたのでさっさと寝る。

2017年10月13日
今回沖縄コミコンに参加なされる横田守さんかQuestionNo6さんたちにお会いしたときのためにぶたりめとちんすこうを購入。
いつのまにか「ぶたりめプレミアム(牛で作ったぶたりめという、豚肉で作ったあたりめ=ぶたりめという名称からは本末転倒だがとても美味しい)」が製造停止になっていることを知る。
那覇市の模型屋「みぶろやさん」によって昨日塗り損ねたモンスターの再塗装用にシタデル再購入。
Vカラーも扱いはじめたのは有り難いが、今は手を出せない。
明日、もう一点(ハコルーム)の内容点検をして、新規であと二部屋組み立て、屋根作って再塗装して終わりにしようと思う。

2017年10月14日
再塗装開始デストロイドモンスター完成。完成と言ったら完成。物作りは締め切りに対する諦めが肝要。
出品予定のもう逸品、バンダイのこさえた対シルバニアファミリー駆逐兵器「ハコルーム」の部屋を二階建てにするつもりだったが、もう一部屋作る気力がないので、屋根を延長パーツで誤魔化して三部屋に変更。Question No6さんが来ることに引っかけて、ドクター・フーの「ターディス」とうちのアシストロイドを配置。
移送用の箱を作り、スタイロフォームなどで移送中に固定できるようにする。

11時に寝るつもりがなんだかんだで2時に就寝。

「諸見座曹長くん」制作記


「あそびにいくヨ!」のアシストロイドのお人形はすでに私のアイコンとなっておりまして、漫画家の高津ケイタ先生からは「いつもリアルでお会いする時『あれ?アシストロイドじゃない?』と思ってしまいます」と言われるほどです。

今はなきCMsさんの作ってくれた三体セットアシストロイドはその後、なんだかんだで1カートン分を所持して、多分死ぬまで私の回りでアレコレ代理役をやってくれると思っていますが、良くできた商品でも使い続ければ破損は起こります。
特に耳の部分の付け根が折れやすいのは構造上仕方の無いことですが、誤って足の付け根が折れる個体が出まして。
「このところ手を動かして造形物作ってないから久々にちょっと遊んでみよう」ということで「カミカゼの邦」の「諸見座曹長くん」を作る事にしました。
本編を読んだ方たちが真っ先に「印象に残るキャラ」に指名する彼ですが、当初の案では途中退場するはずでした。
書いていて「こいつは生き残らせたほうがいい」と判断して彼は結局「カミカゼの邦」のなかでは一、二を争う人気キャラとなっておりますから不思議なもので。

こり始めるとキリが無いので、三日以内に終わらせる、ということを目処に、ひたすら手を動かしてさっさと作る事にしました。

制作方法は簡単です。
○頭部・まず横の「ビンタ」部分を残してアシストロイドの前髪ディティールを金ヤスリと超音波カッターで削り、ウェーブのエポパテの食いつきがいいようにピンバイスで穴を開け、そこにエポパテを盛り、あとは耐水ペーパーで磨いて、頭は完成。
○胴体・付け根がもげた左足をに軸打ちし直し、足から胴体側に差し込むように変更。足首部分にエポパテを盛って整形、ブーツ風に見える様に。
首回りの鈴とリボンのディティールはニッパーとヤスリで削除。
背中にはエポパテで日本刀を背負わせるためのラックになるような部品を作りました(結局タイムオーバーでこのパーツは無駄になりましたが……)
○手
ひとまわり金ヤスリで削って、さらに武器の保持のために穴を広げました(左右共に削りすぎて結局武器は接着固定になりましたが。
左手は実験的に超音波カッターで切れ込みを入れて曲げて表情を付ける事に。接着は普通にタミヤのプラモ用接着剤が効きました
平手パーツは以前同じCMsさんのエリスのフィギュアについてた、同じ原型師さんが作ったビックリポーズをしたアシストロイドの平手を複製したものを流用。
○武器類
最初は12分の1のSCAR-Hを切った貼ったして、と思いましたが時間がない&キットが手元にないので、LEGO系のブロックトイについてくる兵士の銃をプラモのランナーで適当に改造、銃口に穴を開けてアサルトライフルと言うことに。
同じく、ランナーを金ヤスリで適当に削って日本刀の刀身と持ち手を。一応「はばき」のような部分もあります。鍔はランナーの番号表示部分に柄と同じ太さの穴を開けて切り取り、整形して刺しました。時間がないので緩やかなカーブのない直刀になったのは残念。

■塗装
全体をシタデルのケイオスブラックのスプレー(プライマー)で塗装。あとはシタデルのサンドイエローや水性ホビーカラーのマホガニーなどで迷彩を適当に。腰のラインはサインペン。
武器も同じくシタデルカラーです。
最後にサインペンで額に諸見座をあらわす「も」の字を書き、目つきを悪くして、「へ」の字口を書き込んでお終い。

……まあ写真をご覧になれば判るとおり「キッツイ」出来ではありますが、老眼の身では「1メートルも離れればそれなり」に見えるので満足しております。
いずれ時間が出来たら再チャレンジしたいですが……。

ちょっと環望先生の「ソウルリキッドチェインバーズ」を応援

明日、環望先生の「ソウルリキッドチェインバーズ」の第3巻が出ます。
こういう表紙です。

 

 

 

 

 

 

これで「第一部」が終了となっていますが、第二部に続くには条件があると編集部から言われたそうで。
どういうものかというと、この3巻の売れ行きが一ヶ月で在庫の70%、つまり発行部数の7割を一ヶ月で売り切らないと第二部の続行はないんだそうです。
そもそも「ソウルリキッドチェインバーズ」って何? というとですね、ポストアポカリプスな未来、ゾンビが徘徊し文明が滅びかけた世界で「情報」を携えて旅をする青年にとある少女が仕事を依頼してきます。彼女はいかにも深窓のご令嬢らしい心の優しい穏やかな性格の少女なのですが、常に肌身離さずな熊の縫いぐるみは妙に口が悪く、しかも彼女を狙う連中もいて、それはこの世界にゾンビが溢れた秘密と関わりがあるらしく。
かくて逃避行の最中、ついに追い詰められた青年と少女、絶体絶命の最中、少女の手足が「取り替え」られたとき、チェインソーが死のエンジン音を奏で、ゾンビどもの手足が飛び散り涙が流れ、悪を滅ぼす死の舞踏(ダンスマカブル)が始まる……というようなハードアクション。

うちの作品が好きな方なら絶対に気に入ると思います。

正直、ここで終わるには惜しいですし、「続きが書きたいしそのポテンシャルもある作品なのに売れ行きで中断」という悔しさは嫌というほど、作家としても読者としても知っているので、ここは勝手に応援させて貰うことにしました。

環先生の代表作のひとつ、「ダンス・イン・ザ・ヴァンパイアバンド」の第二部「スカーレット・オーダー」が世に出たとき「普通に続くだろう」と思っていたら、結局「売れ行き」を理由に打ち切られ、一ファンとして唖然とした思いをしました。

最近も加遠宏伸先生の格闘アクションでありながら国際紛争ものというユニークな「大行者ナギ」とか、道明宏明先生のスペースオペラ「さよならジュリエッタ」とか続いて欲しい作品がありました。(興味のある方はタイトル名をクリックすると無料で一話が読めるところに飛べます)。

どんなに「いい作品」であっても「それを探している」人の所に届かねば売れてくれない、そういう現実があるのです。

さて、3巻が売れるには1巻が売れねばなりません。だって最初からお話を知らない人は、3巻からは買わないでしょ?

というわけで、まず第1巻の立ち読みが出来るソク読みのリンクから

ソク読み

面白いと思ったら是非書店発注、もしくはwebで紙の本、もしくは電書でお買い上げを。

Amazonのリンクから。

ソウルリキッドチェインバーズ1/環望 とらのあな通販

楽天ブックス/ソウルリキッドチェインバーズ・環望

ソウルリキッドチェインバ-ズ 1 / 環望 – 紀伊國屋書店ウェブストア 

e-honya ソウルリキッドチェインバーズ1巻・環望(電書もここで)

TSUTAYAオンラインショッピング ソウルリキッドチェインバーズ① 環望(店舗受け取りも可能)

「カミカゼの邦」について:その2

「クリミナル・マインド」というドラマがあります。
ご存じない方に説明すると、アメリカではかなりヒットしているテレビシリーズで日本でも人気があって、今12シーズンまで放送されてます。
そのシーズン9だったか、10だったかに「なんで昔のお伽噺は残酷だったか」という話があります。
その中で答えの一つとして出されるのが「子供たちが残酷な出来事に直面しやすかった昔は、お伽噺を語ることによって、前もってそのショックを和らげる必要があったから」というものです。
確かに昔のほうが警察も司法制度もなく、お伽噺のモデルになるような残酷な事件が「事件」として認識されず個人の「災難」として処理されることが多かった……ということが最近歴史研究の上では明らかになりつつあります。
翻って現在、子供たちが残酷な目に遭えばそれはすぐ……例外はありますが……司直の手が入り、行った者たちは批難されるようになりました。
ですが、残酷な出来事は人間が生きている限り存在します。
残酷な描写のある小説、マンガ、テレビドラマ、映画などの娯楽というのはそういうものに対する心構えを作る「今のお伽噺」なのかもしれません。
私が今回書いた「カミカゼの邦」はそういう意味でお伽噺です。
今現在、私が「そうなってしまったら怖い」と思う事を全てつっこみました。
例えば、それは沖縄が再び戦火に巻きこまれて誰かに(あるいは自分に)死が訪れたり、または日本という国が巻き込まれ、引き裂かれ、死んだほうがマシだと思うような恐怖や傷病に苛まれたりすることをも考えた「未来への恐怖」です。
ただ、悪夢を提示して世界は終わりだ、行き止まりだと叫ぶのは、それもまたウソだとも思います。
この世の終わりのようなことがあっても、人間は死ぬまでは生きていくのです、自動的に、あるいは受動的に。
私の父は酒と煙草を死ぬまで手放せず、そのために寿命を縮めましたし、当人も50を過ぎてから「俺はすぐ死ぬから好きにさせろ」と口癖になっていました。
が、それでも76まで生きていました。
人間は「うっかり死ぬ」よりも「うっかり生きる」ことのほうが多いのです。
だから「それでも生きていく人間」を描くことも同時にこの作品の目的になっていました。
政治的な「左」「右」の話ではなく、どの国に自分が所属しているか、でもなく、ただ「過酷な状況が発生するであろう状況に常に置かれている場所でそれが起こったとき、どういう風に世の中が変わり、自分たちが変わって行くか」という恐怖とそれでも生きていくことへの覚悟を描いたつもりです。
さらにもう一つテーマがあります。
人間は出自とか過去を背負い、それから逃れることは出来ず、しかし他の人間と関わることをしながら、何を見、考え、何を選んでいくかによって自分で自分を作り上げていき、そして最後は残る、残らずにかかわらず、また主義主張や思想、善悪にかかわらず、何とか己の生きていた証を世界に残そうとする……哀しくもおかしな生き物ではないか? ということです。
仏教の言葉で言う業や宿痾、という言葉が一番近いのかも知れません。それも描きたかったテーマなのです。
だから今神野オキナが出来る「全部のせ」であると同時に、バランス調整もできうる限り施した、これまでの20年で構築した作家技術を全て注ぎ込んだ大娯楽作品となっております。
1900円分、しっかりお楽しみ下さい。それだけのものになっております。

地元のラジオに出ることになりました(9月3日予定)

ちょっとしたご縁がありまして、RBCラジオの日曜朝9時からの番組「1000人の言葉」にゲスト出演することになり、琉球放送に数十年ぶりに足を運びました。
実を言うと今の建物になったばかりの頃……私はまだ中学生でしたが、沖縄唯一のアニメソングまで流してくれるラジオ番組「ナイトヤングメイツ」という地元番組があり、そこのパーソナリティの玉城美智子さん(2006年逝去)がよくイベントをやっておりまして、そのお陰でチョコチョコと琉球放送の中に入っていたという次第。
ですがさすがに数十年経過し、中に「あそびにいくヨ!」のアニメ版を放送してくれたQABも入って、となれば中は当然以前と違いまして、危うく迷子になりかけました(笑)
時の流れは不思議なもので、といえば今回「1000人の言葉」のメインパーソナリティである土方浄さんも、私が中学生の頃はスポーツ中継で走りまわるスポーツマンのお兄さんだったのですが、すっかり落ち着いたダンディなニュースキャスターさんになり、地元のニュース番組でお顔を拝見して「同一人物だ」と判っていてもやはり、実際にお会いするとなると「実感」として「ああ、凄いなあ」と思う次第で。
さて、緊張していたのでどうなるかと思いつつ、メインパーソナリティである土方浄さんのおかげもあり、無事に収録は終わり、むしろ土方さんに「慣れてらっしゃいますねえ」と言われてちょっと嬉しかったり。
内容はこれまでの経歴、そして新作「カミカゼの邦」に関するバックボーンをお喋りしました。
何事もなければ9月3日の朝9時の放送で私の声が流れるはずです。

「スウィッチブレード」こぼれ話

昨日ご報告した「読楽」さんの「スウィッチブレード」という短篇は、修学旅行で沖縄に来た女子高生たちとその担任教師のお話ですが、原稿書いた時点で指摘の入った部分がありまして。
「神野さん、今の子たちは『写メ』って言わないみたいですよ」
え?
慌てて、小中高生向けのイベントを手がけることもある知り合いにも話を聞いたら「ああ、確かに今の小学校中学校の子たちは『インスタ』っていうかなぁ」
との話でした。
お話の舞台がちょっと未来を想定しているので、今の小中学生が高校生になった頃は「インスタ」が主流かも知れない、ということで「写メ」を慌てて変更し、「写真」に「インスタ」というルビを振ることにしました。
これがその証拠写真。

 

 

 

 

 

 

考えてみれば「写メ」もメール付き写真のことで、携帯などで撮影する写真自体のことではなかったわけですし。言葉は移ろいますな。

それだけではなく、小中高生向けのイベントを仕切ってるその知り合いに言わせると「TwitterもFacebookも年寄りが口出ししてくる面倒くさいツール」で、小中学生はLINEで全て人間関係が完結していることに満足してることが多いそうで。
で、仲間内から世界へ向けての速効性がある上、否定的な意見を書き込みづらいセレブな雰囲気のインスタグラムはそういう意味で「安全で静か」な「外へのコミュニケーションツール」だと感じてるようだ、って話でした。

コロリと忘れがちですが、こういう細かいディティールというのは案外「自分が30歳までのもの」で情報が止まりがちなので、やっぱり小まめな日常リサーチは必要だよなあと思うのでした。

こんな夢を見た(0170730版)

いつの間にか坂上忍さんのテレビ番組に参加することになり、那覇の第一公設市場(それも平成ではなく昭和時代の)周辺が立ち退きになり「廃墟探訪」的にあちこちを回って中身を漁るという(漁って回収したものは後で持ち主から買い取るという仕組み)もので、私の他はゲストにプーチン大統領。
昔の乾物屋の二階にある小さな部屋に貼られた70年代アイドルのポスターや「明星」の切り抜きに子役時代の坂上さんが映っていて彼が照れたりという話がぱぱっと出て、ついでに70年代の衣装が詰まったタンスや、いかになベタベタシールの貼られた学習机の前で思いを馳せたりする内、プーチン大統領が「劇場版マクロス・愛おぼえていますか」の公開当時出ていたA4サイズの小学館発行のムックを探していると判明「だったら自分持ってますよ」と言ったら喜んだものの(あ、でもまだ内にあったかしら、もしもないって判ったら暗殺されるかも……)と思っていた所で目が覚めました。

フロイト先生、私、自殺願望でもあるんでしょうか。

松田優作とルパン、そしてコブラの呪い

一般向けを書くようになってから、「大人の男」を主人公として扱うとき、どうしても超えられない存在がいます。
山田康雄演じる「ルパン三世」野沢那智と松崎しげる、そして一度だけ山田康雄も演じた宇宙海賊「コブラ」、そしてもうひとり「探偵物語までの松田優作」

洒落てて格好良くて、強い。どこかユーモアもあって残酷にもなれる。
昭和40年代生まれは誰もが皆憧れ、親しみ仰ぎ見た存在といってもいいでしょう。
個人的には未だに、私たちの世代はこの三人を超える…………いえ、この三人のキャラクターを頂点とした基準枠の中を、日本のアクションもののヒーローたちは造形されている、と考えています。

…………あれ? 『ワイルド7』の飛葉大陸や『シティハンター』の冴羽燎は?
「あぶない刑事」のタカとユージは? 「西部警察」の大門さんは?

ああたしかに(恥)。

……異論は認めます。ええ、私の狭い視野の話です。
これはあくまで個人的な感慨というか、感想というか小説屋として創作作業をする上での視点、観念だと思って下さい。
神野オキナという作家の頭の中にある作業場にはそういう定規……基準器があるんだというお話。

さてそういう基準器があるせいで、自分の小説の中で「大人の男のキャラクター」を考える場合、ユーモアを口にするときに頭の中に浮かぶのはルパンの口調か、コブラの言葉か、松田優作の脅し文句ともおとぼけとも取れる間合いだったり、銃を抜く時の動き、歩き方、走り方、コーヒーの飲み方や趣味嗜好、立ち姿、走る姿……どこかこの三人のキャラクターが基準点として存在します。
彼らに如何に近づき、如何に離れるか。

一種の基準器としてこの三人が私の頭の中にはずっといます。
そして多分、私と同じ様な基準器をもつ物語作りの人たちは決して少なくはない筈です。

さてどうしたら彼らを超える新しい基準器を作れるのか。

私たちの上の世代……父親や叔父の世代にとっての小林旭や石原裕次郎、原田芳雄のような、あるいはスティーブ・マックィーンやジェームス・ディーンのような、時代のアイコン故に、なかなかそう簡単には超えていけないのは当然かもしれませんが。

さて。ここからちょっと余談。

個人的に残念なのは、松田優作という人は、その肉体と演技力の絶頂期にアクション俳優であることを止め、演技派俳優の道に転進してしまい、その助走用のジャンピングボードとして大藪春彦の傑作を使ってしまった、という所です。
乾いたムードと銃器への執着、そして権力への怒りをコントロール出来ないまま内包し続けた大藪春彦の、しかも初期の傑作2本、間違いなく大藪ファンは理想の役者を得て夢が結実したと思ったことでしょう。
が、ハードアクションのピカレスクロマンで突き進む「蘇る金狼」を松田優作は脚本家と監督と共に当時のスタッフたちの言葉を借りれば一種の「共犯関係」を結んで「滅びの美学」へラストを書き換えてしまいます。
原作では最後、主人公は女を愛しながらも刃を受けることさえせずに殺し、傭った私立探偵の顔を潰して一緒に焼いて自分が死んだことにし、悠然と、笑顔を煌めかせさえしながら飛行機のタラップ(昭和30年代後半が舞台なので飛行機にはそうやって乗り込むのが常でした)を上っていきます。
映画のように刺されて治療もせず飛行機に乗って、目的地について混乱したことを呟きながら事切れたりはしませんでした。
「野獣死すべし」に至っては「悪党パーカー」に並ぶほどに冷静沈着な、日本の戦後文学史上最初の確信犯型&純粋利益追求型犯罪者として、伊達邦彦は淡々と仕事をこなし、最後に貧乏な苦学生でありながら野心に燃え、伊達と共鳴し合って仲間になった、自分の共犯者に自分自身の絵姿を見いだして同情しながらも、犯罪の完全性を保つために射殺、涙を流しながら水の底へ沈めた後、念願のアメリカ留学へ旅立ち、最後の強烈な一文で終わるはず……が、伊達邦彦は戦場帰りの精神病質者に変わり、相棒は粗野で愚かな人間に変更され、当時流行りの残滓が残っていたヌーヴェルヴァーグ風に不条理な最後を遂げてしまいます。
伊達邦彦のファン、そして大藪春彦ファンとしては千載一遇の、そして最も不幸な映像化だったと思います。
まだ、仲代達矢が演じた伊達邦彦(こちらは当時の倫理観から映画会社の上層部にラストを変更させられて、アメリカに旅立つものの、空港に降り立った時点で逮捕されることが逡巡されます)の最初の映画版「野獣死すべし」や、こちらも最後は殺されますが、藤岡弘が伊達邦彦を演じた「復讐のメカニック」のほうがまだ原作の精神を受け継いでいるといえるかもしれません。

結局これ以後も、完全無欠のピカレスクロマンである大藪作品をそのままに映像化されたものは現れていません。
とても不幸なことだと思います。

…………とはいえ、やはり松田優作は魅力的な俳優さんでした。
特に、こういう動画を見てると、やはり原作通りに生き残る大藪ヒーローを松田優作で見たかったなあと思うのです。

その短いの最晩年、松田優作は「ア・ホーマンス」でアクションものに復帰、海外映画「ブラック・レイン」に出演しながらかつての仲間だった村川透監督と三作目で完結した殺し屋、鳴海昌平を主役にした「遊戯シリーズ」の続編を撮ろうと熱心に語っていたそうです。
残念ながら結局、彼は四作目の鳴海昌平を演じないまま、この世を去っていきました。

今息子さんたちが縦横無尽に、そして「このまま自分はアクション俳優で終わってしまうのではないか」という父の抱えていたであろう憂鬱とは無縁のように、様々な映画で様々な役をこなしています。
生きていたとしても松田優作はまだ70歳手前の筈です。松田優作が尊敬していた岸田森(彼も松田優作に先立ってかなりの早死にでした)と共に未だに生きていたら、今頃「相棒」とかのドラマにどういう役割で出ていたことでしょうか。

さて、そんなこと言ってる私もまた、物語作りの人間として自分なりの「大人の主人公」を作ってみました。

「カミカゼの邦」ご期待下さい。

もろもろ壊れる

ある朝、メインマシンが急にダウンしました。
ひょっとしたら過充電かもしれないということで、一端コンセントから電源コードを外し、一時間ほどしてから再び差し込んだら、電源部分の廃熱口から煙がぽわんと。
ぎゃー!
ということで大慌てでPCのメーカー、マウスさんに電話を入れたら「すぐ送って下さい」という話で、ドック入り。
今まで購入し、基本のセットアップはしてましたが放置状態のノートPCを取りだし、ひーこらいいながら細かいセットアップの続きを強行し、16Gから4Gの世界に押し込められて、その遅さに愕然としつつも(せめてすぐに8Gにアップグレードするべきでした)、何とかカントカ、ワープロ&メール送受信機能とウェブ巡廻能力だけは回復させて今に至りますが、やはり変換速度や微妙なユーザー辞書の違い、Skypeでのチャット中、いいなりATOKのユーザー辞書が機能しなくなる(原因不明)というような症状が出、ゲンナリしながらも8月刊行予定の「カミカゼの邦」のTwitterやウェブ用の宣伝のためにと久々にモデルガンのSIGP226を引っ張り出し、ダミーカートを装填して……と思ってマガジンキャッチのボタンを押したら、ボタンがからん、と外れまして。
金属じゃないABSモデルガンの哀しさ、マガジンキャッチを止めている部分が度重なる動作に負けて、スプリングとマガジンキャッチの小さな部品が填まっている部分が小さく割れて機能しなくなったというわけです。
壊れるときは壊れるものですが、もはやいつ再生産されるかも判らないモデルガン(BBガンと違い、ユーザー数が圧倒的に少ない=需要が少ない=再生産するコストが高い)なんで、ちと涙目になっております(※なおPCはすぐに修理が終わったらしく発送しましたというメールが来ました)
そんなドタバタの果てに撮影したのがこの写真です。

 

 

 

 

 

そんなわけで、「カミカゼの邦」どうぞよろしくお願いいたします。