新作「警察庁私設特務部隊KUDAN」に登場する「P2」あるいは「無点の人」について

このところ、シリアスな話は避けてるんですけれども、「カミカゼの邦」や今回出る新刊「警察庁私設特務部隊KUDAN」はこれに絡む話なので、一応、個人的見解を述べさせていただきたいと思います
この所「無用者階級」とイスラエルの歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ氏が予言した進歩や進化の列車に乗れない人たちの前段階にあたる人たちの起こす犯罪、あるいはその犯罪を予測して防ぐ為に家族の起こした悲しい犯罪が世間を賑わせています。
かつて30数年前、世界経済において裕福なG7と言われていた国は今2019年の段階でG20にまで増えています。
G7の国々の人々は裕福な富を惜しみなく周辺諸国に分け与えてきました。
結果後進国あるいは第三世界と呼ばれていた国々は発展し裕福になりました。
しかし富は有限です。
結果、G7と呼ばれていた国の国民たちは、ゆっくりと富を失っていくことになりました。
その代わり、G7がG20になるほど、世界の貧困は失われ、国連によると2025年までに「深刻な貧困国」と定義されものは地球上から消え去るだろうという予測さえ立っています。
恐らくこうしたことで富の再分配が行われ、我々は少し貧乏になる代わり、深刻な貧困に苦しんでいた人々はそれから抜けだし、最終的にはバランスが取れて終わるのでしょう……それがどれくらいの時間がかかり、どのレベルでバランスが取れるか、に関しては、さっぱりわかりませんが。
結果、現在その過程においてしわ寄せが、我々のような庶民の側に押し寄せてきているのは誰もが認める事実です。
将来、この状況を何とか抜ければ少しは楽になるかもしれませんが、その間にこぼれ落ちてしまった人たち、踏みつぶされていってしまった人たちはどうなってしまうのだろう。
4年前、父の看護、仕事の現状のことをしつつ「カミカゼの邦」を準備しながら、ふと、そんな疑問が浮かび、次第に私は自分の現状と照らし合わせ「今の場所からどこへも行けなくなってしまったまま、足下の崩れはじめた人たちはどこへ行くのだろう」と考えることが増えてきました。

だからカミカゼの邦もKUDANも「どこにも行けなくなってしまった人たち」の行く末を自分なりに想像することにしました。

その一時的な答えが「カミカゼの邦」に登場する貧侠とテンサンエンジェルであり、今度発売中の「警察庁私設特務部隊KUDAN」に出てくる「無点の人(P2)」になります。

物語の中で、彼らは主人公たちに倒される側の「その多大勢」の役ではありますが、実は彼らこそが作品世界の主役です。

彼らは決して特別な人間ではなく、どこにでもいて、ただ普段は認識されていない、自分自身、自覚もしていない、それだけなのです。

あなたや、私の可能性もあるのです

彼らは、事件を起こす時だけ、我々の前にいきなり姿を表すのではなく、何かを引き起こして後、マスコミの報道というフィルターを通すことで、初めて可視化されているだけに過ぎません。

この所、色々私生活や仕事でありまして、そのことを強く自覚しています。

ですから、私にとって彼ら……貧侠やP2(無点の人)という架空の名前を与えた人々は、自分自身の中にある恐怖と暗い予感に名前を与えて、切り離しただけの存在です。

先にも申しあげたとおりあなたや、私の可能性のある存在なのだと考えています。

願わくば、私の描く彼らの姿が5年10年20年経ってみれば、とてもヒステリックで考えすぎな妄想の類であったと、皆さんが笑って振り返っていただけるとありがたいなと、かすかな願いを込めて彼らを描いています。

警察庁・私設特務部隊KUDAN発売中です!

昨日から、徳間文庫さんより一般向け警察ものの新作「警察庁私設特務部隊KUDAN]を発売しております!

こんな感じで仮のPVも作りました。
今回は娯楽に大きく寄せて、神野オキナ版「ワイルド7」を作ったつもりです。
お楽しみ頂ければ、幸いです!

特務部隊KUDAN書影出ました!

そんなわけで「警察庁 私設特務部隊KUDAN」の書影が出ました!

いささかお高めの値段でありますがそこはもう、どうかお許しください。
ですがその分面白く出来上がっておりますのでどうぞよろしくお願いいたします!