アシストロイド写真漫画「ドクター・フー編」その1

アニメ化されて何が嬉しかったと言って、自分のキャラの立体物が「販売」されたことです。
中でも特に嬉しかったのは「アシストロイド」のアクションフィギュアがCM’Sさんから出たことでした。
で、二年ぐらい前、再びBBCのテレビドラマ「ドクター・フー」にハマり、こんな写真漫画を作ってました。
まずはその1

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私は好きな作品でしたが

とある作品に関して「自分には合わない」「こう見えた」という所見を述べただけで集中放火して土下座の上に謝罪させ、あげく色々と追い打ちをかけるでは飽き足らず、「こっちは良い批評、こっちは悪い批評」と消した画像を勝手にアップして使ってるのを見て絶句しました。

確かにその感想や所見に穴や欠点はあるかもしれませんが、個人の感想です。
面白い、と思うのと同じぐらい「つまらない」と感じる人もいるわけで。

「殴られるような原因を持っていたり隙を見せる奴が悪い」というのでは無頼漢の理屈と同じです。

ネットの不可抗力により、瞬間最大風速でそうなったとしても、本人が謝罪して意見を取り下げた後も、勝手にスクリーンショットなどを使って揶揄したり再炎上させる理由にはならないと思うのです。

それは完全にいじめっ子の論理、無頼漢の所行というやつで。
風評によって被害の出る作品の作者、もしくはスタッフやキャストが文句を言いにいくなら判りますが、ファンがやるのは筋違いだと思います。

この状況も記録され、記憶され、後で火が収まった時に反芻されるわけで……自分自身のことも自重せにゃとは思いますが、この状況は悲しい。

これはもう作品を褒め称えたいんじゃなくて信者じゃないものをあぶり出して嬲り殺しにしてるのに等しい。
これでは駄目だと思うのですが……?

リラム販促用短篇その2「刃の果実」

リラム~密偵の無輪者~外伝・刃の果実:神野オキナ

神々と魔法が去った世界の片隅。
金髪を高くまとめた長身の戦古貴人族{戦古貴人族:ヴォルエルフ}の侍女リンザを、勝るとも劣らぬ美貌の彼女の主、東圏{東圏:ヒウモト}のサムライ、レイロウはそっと寝台に押し倒した。
「あ、あの……ご、ご主人様……せ、せめて湯浴みを……」
「いいんだ」
戸惑う自分より頭ひとつ背の高い侍女の首筋に唇を這わせながら、レイロウはこともなげに言った。
「お前の匂いはいい。どんな女よりいい匂いがする。戦士の匂いだ」
「ご、主人様……」
顔を真っ赤にするリンザの上半身を寝台に横たえ、レイロウのしなやかな指が侍女服の合わせを開く。
張りのある豊満な乳房が揺れて、僅かに左右に流れる。
衣服を脱ぎながら彼女に覆い被さるレイロウの身体は白い肌が細く引き締まり、しなやかな獣のようだ。
「お前は、僕の女だ」
青年が囁く、それだけで、普段は刃の様に研ぎ澄まされているリンザの美貌が蕩けた。
かつては北方辺境の女位主{女位主:フィルヴァー}として君臨していた女戦士でもある彼女の肢体は、青年の指と唇にたちまちに汗ばみ、わななく。
「レイロウ、さま……」
広い寝台の上で戦古貴人族{戦古貴人族:ヴォルエルフ}の美女は一刻あまり続いた主からの愛撫のあと、下着の紐を解いて片足に絡めたまま、優しく微笑み、両腕をのばした。
寝台の上に引き締まった女の長い脚を曲げて広げ、レイロウはリンザの中に押し入る。
甘い声をあげた瞬間、リンザはレイロウを迎え入れたまま抱きしめ、寝台の上を転がると、ふたりが寝ていた場所に、毒塗りの短剣が数本、暗闇の中から突き立った。
寝台から落ちながら、レイロウは寝台の下に隠してあった短槍を引き抜いてリンザとまた上下を逆にしながら振り向き、飛びかかってきた別の相手の心臓を貫いた。
そして、リンザは床板を拳で叩いて外し、中に納めてある大剣を引き抜く。
銀の光が尾を引いて、五回の瞬きほどの時間が過ぎるころ、寝室には四つの暗殺者の死骸が転がった。
「片付けます」
と大剣の血を寝台の布で拭い、部屋を出ようとしたリンザの手を、レイロウは掴んだ。
「あとでいい。久々の戦いで昂ぶってる」
「……はい」
頬を赤らめながらリンザは血臭の満ちた部屋で、乱れた服を改めて脱ぎつつ訊ねた。
「東圏{東圏:ヒウモト}の誰かに雇われたんでしょうか?」
「多分、兄上に媚びを売りたい商人だろう。腕が悪すぎる…………でも、ひょっとしたら、嵐が来る前触れかもしれないぞ。そうなら少しは楽しくなるが」
再びリンザと唇を重ねつつ、美しい東圏のサムライは戦場で敵にあったときのように、無邪気で甘く、危険な笑みを浮かべた。

 

(終劇)

リラム販促用短篇その1「献立と来訪者」

三つの海を分ける大海障{大海障:バルバドン}唯一の抜け道の先にある南の圏{圏:エスティズ}、ロキオルスは短い春の季節を迎えていた。
首都、リューシュの外れにある森の中、小さな、しかし位主{位主:ルヴァー}の一族が本来使うための豪奢な館の一室で、美しい影が机に向かって書き物をしていた。
窓は大きく開け放たれていて、青い空の下、吹き抜ける風が窓に掛かった、光を遮るための紗を優雅に波打たせながら涼しさを流しこんでいた。
その机の上に、小さな装置がある。
掌に載ってしまいそうなその球状をした機械――――びっしりとあらゆる数字と記号が刻まれたその小さな球体は、この世界における特殊な技術によって持ち主として登録された人間の損得を計算し続ける。
最初に、そしてことが始まってからも随時入力していく数字さえ間違えなければ、それは不確定要素を考慮しなければ、大抵において正しい――――低く見積もっても七割の確率で――――結論を導き出すはずだ。
神の居ないこの世界で全てを決定する、その指針がこの計算球{計算球:レドゥラ}だ。
「さて、どうしたものかな」
羽根筆を停め、美しい影は顎に手を当てた。
21,2歳。中性的な美貌ながら、意志の強い目の輝きが「漢」を感じさせる。
ゆったりとした衣類はこのロキオルスのものではなく、大海障を抜けた先、ヒウモトという名で知られる、特殊な戦士の一族が支配する「圏{圏:エスティズ}」のものを彼なりにこの「圏」にある布地で再現したものだ。
「明日来る姫様の献立なのだが、食麺麭{食麺麭:フォナム}の生地に何か柔らかい木の実を砕いたやつか、乾果物を細かく切ったやつでも入れるか、それとも無地のものにするか、ちと迷ってる。バウサン、どっちがいい?」
ちら、と切れ長の目が彼の背後、正確に言えばこの部屋の窓側の壁の隅、紗が翻っているその陰をみつめた。
「いやだなあ、ご存知でしたか。一刻も黙ってるとはお人が悪い」
そういう暢気な声がして、青年とも中年とも付かぬ古貴人族{古貴人族:エルフ}の男が、のっそりと姿を現した。
巧みな隠形の技で、気配を隠し、視界に入らないようにしていたのである。
「てっきり今度こそ上手くお命を頂けるかと思ってたんですが」
「簡単に取られては困る」
「ちぇっ、レイロウ様にはかなわねえ」
「で、どう思う?」
レイロウと呼ばれた青年は、机の上で書きかけになった品書きをバウサンと呼んだ男に見せた。
手に持っていた短刀を腰の後ろの鞘に収め、薄く無精髭の生えた顎に手を当て、バウサンはもっともらしい顔でその品書きをのぞき込む。
「そうですねえ。山赤鶏{山赤鶏:レッカン}の卵と胸肉を燻製にしたものと、香辛料をたっぷりきかせた土梅牛{土梅牛:バンザ}の尻尾のスープ……これなら食麺麭{食麺麭:フォナム}に何か入れるより、塗った方がいいんじゃないですかね」
「では卵の白身に香料を少し入れて……いや、入れない方がいいな、照りと食感だけでいいか」
品書きを自分に向け直し、長い脚を組んで考えはじめたレイロウの喉へ、手首の飾りから小さな針を音もなく取りだしたバウサンの腕がするりと動いて……停まった。
「何をしている」
その背後、脊髄の上に鋭い長剣の切っ先が微かに触れている。鋭く磨がれた先端はそのまま持ち主が一歩前に進めばバウサンの延髄を切断するだろう。
「いえ、な、なにも……」
バウサンは引きつった笑顔を浮かべ、ゆっくりと、相手を刺激しないように後ろを向いた。
そこには長身で豊満な胸以外は引き締まった体つきの、彼とは違う戦に長けた戦古貴人族の女性が侍女服を纏って立っていた。
「失せろ」
じろりとしなやかな獣の様な美貌が命じると、バウサンはひと息に窓の外へ跳躍して消えた。
「ご主人様、御酔狂が過ぎます。暗殺者を殺すどころか『隙があればいつでも殺せ』とは」
そう言いながら長身の戦古貴人族の美女は長めの首に填められた首輪の後ろ、鞘代わりの鉄輪に剣を納めた。
「まあ、そう言うなリンザ。お陰で明日のお姫様への献立が出来た」
にっこりと、レイロウは微笑む。
「それに、僕の背中はお前が守ってくれる」
それだけで、リンザと呼ばれた侍女は顔をほのかに赤く染めた。(終劇)

新盆も終わったので

父の新盆も済み、これからようやく平常運転です。
「きんどるどうでしょう」さんの記事のお陰でこちらへの来訪者も増えて頂いて本当に有り難く。
毎日更新とは行きませんが二日にいっぺんぐらいの更新で頑張ろうと思っております。

で、「リラム~密偵の無輪者~」の電子書籍版がこの前発売されましたが、実は紙の本が出たときに販促用の短篇をふたつ書いております。
明日と明後日はまず、それを連続して掲載しようかと(なお販促用に使って下さった所から許可は得ております)。

これを機に、お手にとって頂ければ幸いです。

また、来月は新作「エルフでビキニでマシンガン!」が発売されます。
こちらは打って変わって脳天気なコメディです。
どうぞお楽しみに。

腰痛対策

恥を忍んで申しあげますと、もとから熱中し始めると姿勢を気にしないたちというのもあり、また「あそびにいくヨ!」「疾走れ、撃て!」完結や親の入院、葬儀までのドタバタという「上手い逃げ道」ができてしまったためこの数年、130キロから70キロ台へと、せっかくダイエットしたのにリバウンドで太りまして(現在とうとう105キロでございます)。
それでも痛みがあったのは左右の肩胛骨、特に左側の内側で、何とか膏薬とかで誤魔化し誤魔化しやっておりましたが、今度は腰にも来るようになりまして。
で、腰痛が「筋肉の疲労」から「ヘルニア」へと嬉しくない進化を遂げました。
そしてこの一週間ほど、僧帽筋から首にかけてが偉いことになりまして。
で、その前に…………特に先月発売になった「リラム~密偵の無輪者~」の中盤や九月発売の「エルフでビキニでマシンガン!」の後半の一部を「パソコンデスクの上にローテーブル置いて立ち作業」にしたらその間は確かに身体の調子が良かったんですよね(足は酷く疲れましたが)。

これまでどうしようか悩んでたんですがやっぱり暫く、騙されたと思って立ち仕事をしてみることとしました。

幸い、こういうお手頃値段のハイデスクも発売されたので。

さて、これが具体的にどうなるかはまたここでレポートしたいと思いますです。ハイ。で、あとは来年の末までに70キロ台になれるようにダイエット頑張りますです……

世間様じゃポケモンGOが出まして

というわけで我が家のを早速ゲット。

asistopokemon

 

 

 

 

 

 

 

まあ、昔っからうちにはおりますが。
「おきなおせわでし、さっさとはたらくでし。【りらむ】のとくべつよみきりだい三かいはこんやくじまでにはこーしんでしよ!」

いやぁな夢

なんか久々にねっとりと絡みつくような空気の夢を見ました。
悪夢は人に聞いて貰うと消えて亡くなり、聞いた側も徳を積む、という話もありますんで(何処で聞いたかは覚えてませんが)まあ、お目汚しを。

時間帯は夜、時代は今(というよりここ数年のどこか、という程度の世界観)
久々に上京、いつもは沖縄にいる知り合い達と偶然にも同じ飛行機で暫くどこかの街(歌舞伎町と神田を足したような場所)で食事した後近くの公園で散歩してると気がつけば携帯がない。

慌てて公園事務所(ここが木のカウンターがあるような古くさい場所)に駆け込むとよく似たデザインだけど別の携帯の落とし物。

電話が掛かってくると、女性でどうやら私の携帯を持っているらしい。
しかも一方的に相手は自分を知っている。
非常に粘っこい、人を小馬鹿にした口調。

今すぐ交換してくれないと明日から困る(電話帳も飛行機のチケット用バーコードもその中なので)から頼みますというと言を左右にしてなぜか取り合ってくれない。電波状態が悪くて切れる、電話をし直す→相手ば根性悪く、ノラクラして居場所さえ明かさず、会ってくれない(困っているのは向こうも同じなのか?)→どうしようか、と思っていると、どうやら「預かり料」が欲しいらしい。
明日には仕事の打ち合わせで人に会わなくてはいけないし、お金が無いから(夢の中なのに!)今夜中に取りもどさないとどうしようもない。
だんだん腹が立ってきまして。
これはもう恐喝だよねということで走って交番まで行くと、ここの管轄で起きたことじゃないからよそへ、と言われ歩いていこうとすると別の警官が「話は聞くよ」といってくれて、中に入ろうとしたら相手からの電話がかかりこれを恐喝の証拠として録音して貰おう(あるいは警官に聞いて貰おう)……という所で目が覚めました。

なんか凄くいやあな、悪意だらけの手触りの夢。

お金が無いのは首が無いのと同じ

と昔の人はよく言います。

最近父を看取ったせいもあるかもしれませんが、最後の十数年を一緒に過ごした身としては、お金があればそりゃ最後は国に取られるかも知れないけど持っておくよね、というのが実感です。

父は酒も煙草も飲み放題のやりほうだいで50代の終わりあたりから「どうせあと2,3年ですぐ死ぬよ、好きなようにさせてくれ」が口癖でしたが、結局それから30年近く生きました。
家族としては色々な幸運が重なって(中でも大きかったのはあそびにいくヨ!という作品を読者の皆さんが愛してくださったお陰で作家で人並みの収入が得られるようになったことです)最後まで看取ることができました。

しみじみ今思うのは実は死ぬ事よりも怖いのは「うっかり中途半端な健康状態で(あるいは悪い健康状態で)生き延びてしまうこと」じゃなかろうかと。

比較的健康な人でも、歳をとると、まず病院に行くようになります。
毎月、数万円かかることも。さらに病院へ行くための交通費も。

足腰にガタが来て台所に立つのが辛くなれば給食サービス、あるいは外食、ということになります、これもまた数万円でていきます。

そうなると今度は階段の上り下りがつらくなりますから一階に、あるいはエレベーターの付いた物件に、それでも辛くなってくれば、老人ホームに入ることになります。

これで寝たきりになればおむつ代だのなんだのでさらに上積みがされる。

では、面倒を自分で、自宅で見るか? となればこれはもう介護自殺者が出るぐらいキツい。

ついでに言えば親にとって子供は永遠に子供ですが、子供は子供ではいられません。社会に出て働けばそれなりの自分の生活リズムが出来ますし仕事の都合もあります。

そしてどんなに出来た親でも自分のリズムで生きている以上不都合が生じるのは避けられません。

そして親の都合に合わせなければいけないというのは、時にかなりのストレスです。

また結婚していたとしても、自分の親の負担を血の繋がらないパートナーに求めて良いのか、は疑問です。少なくとも当然ではないでしょう。

となれば老人ホーム特別養護施設はこれから「当然の選択肢」になります。

ですがそれは「自分のやるべきことを他人にお金を払って代行して貰う」ことです、つまり最終的な責任は自分にありお金も自分が支払う。

六畳一間でも一ヶ月暮らせば食費光熱費込みでどんなに安くても8万ぐらいはかかるものです(沖縄・2016年現在)。毎月の費用が安いところは、入居料金に目の玉が飛び出るような金額を請求されます(私が見た最高額は六千万でした)。さらにこの中におむつ代などは含まれません。
生活保護と年金を組み合わせれば、と思う人もいるでしょうが、年金は「収入」なので生活保護からしっかり差し引かれます(これは市役所の窓口で確かめました)。国民年金に加えて企業年金などで毎月の収入が、生活保護の金額を上回る場合、生活保護は受けられません。1円でも。

そして、生活の質を下げるというのは非常に難しい。まして老人です。

私もこの十数年、見えるお金、見えないお金を大分支払いました。
父もまた、最初は母、次に祖母の最後を看取るためにこれ以上のお金を支払っているはずです。

さて、父には私がいましたが、結婚もしてないし子供もいない私には、私がおりません。

偉い人がいうように、お金がある人は老後にお金を使って趣味をするのもいいし、見つけるべきだろうなあと思ういますが、それがない人は老後どうすればいいのやら。

もしも自分が働けなくなって老後を迎えたら、と考えると途方に暮れます。

生活保護に頼って生きている人がそれをやれば「生活保護のくせに」と叩かれるご時世、人間らしく生きるってのはなんなんでしょうね。

とりあえず、それはそれとしてお仕事をしましょう。

それ以外今の所出来ることはないので。

「帰リキタレ」の時代

前の日記にも書いた母の一件もあって、図書館に通って64年~66年までの新聞をアレコレ読んでると、復帰前の沖縄の猥雑さと不便さと混沌さがよく分かります。
あと、少し遅れてやってくる日本本土の流行や思想の波とか。
でも中でも切ないぐらい目立つのが「日本(本土)の」という言葉が頭に付く広告です。
{本土(あるいは内地)と沖縄を結ぶ」「本土(内地)と同じ」「本土(内地)でも大人気」「本土(内地)でも売られている」「本土(内地)で大評判」あるいは「日本でも有名な」……これらの言葉が並ぶ広告がかなりの数あります。
さすがに全てコピーできないので、ここにあるのはごく一部ですが……

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最後の1枚は広告ではありませんが、当時の沖縄県民が少しでも「日本人であることに浸りたい」という切なさが今となっては浮き彫りになる新聞記事だと思います。

さて、有名なブラッドベリの連作短篇「火星年代記」の中には、地球で大戦争(終末戦争)が起こっていて、豊かで平和に暮らしている火星に移民してきた人々が地球を見ていると、光のモールス信号で「帰リキタレ」という言葉が毎日届くようになり、最初は「馬鹿な話だ」と口々にいいつつ、結局みな、平和で安全な火星を棄てて、殆どが地球に帰ってしまう、というお話があります。

これらの広告や記事はほぼ全て沖縄側が作っていますが、地球からの光モールスと同じ様に「帰リキタレ」と当時の沖縄県民に訴えていたのでしょう。米軍統治下から抜けだして、日本に帰れ、と。

それはかつて「沖縄県民カク戦ヘリ」と賞賛を受けた戦前の人たちらしい愚直なまでの生真面目さから来る誇りだったのか、それとも連日のように(これはそう表現するしか無いぐらい本当でした)幾つもの米兵がらみの事件が起き、爆音が鳴り響き、自治も権利も認められないという環境から脱出したいという心が生み出した希望と自己暗示だったのか。

ともあれ、このほぼ10年後沖縄はアメリカの正式な領土になる事も他の国のものになる事も、当然のことながら独立も拒否して「日本」に戻ってきます。

そして皮肉にも「本土のカレーいよいよ沖縄でも!」と鳴り物入りで発売が開始されたオリエンタルマースカレーは今現在、沖縄のみで販売が続くという事態となりました。
が、それもまた「帰るべき日本本土」への憧れが維持させてしまったのでしょうか。