「エルフでビキニでマシンガン!」制作資料のお話

幸いにも、「エルフでビキニでマシンガン!」皆様に好評を持って迎えられているようで、Twitterなどでも「買いました」報告やご感想などが来ていてとても有り難く、嬉しいです。

ありがとうございます。

「エルフでビキニでマシンガン!」は阿呆な話をどこまで真面目にバックグラウンドを構築して、どれだけ馬鹿なものをその上にてんこ盛りできるか、というのが非常に大事なものだと思いました。
で、もうひとつ大事なのは「この世界には美男美女(あるいは渋いオッちゃんと妖艶な美女)しかいない」というところをどう徹底させるか、ということでありました。
特に種族で言えば「ドワーフ」は長年「ひげが生えるのが普通」とか「男女の区別が付かないぐらい厳つい顔と姿」とかいう設定がまかり通ってて、「それは違うだろ」とずーっと思ってました(数少ない例外としてグループSNE版のハイパートンネル&トロールズにて北沢慶先生が設定した「ドワーフの細工師が多種族から見ても見事な女神像を作るのは彼らの女性が他の種族同様に美しいからであり、ドワーフは同族の女性を守る為に髭などを着けさせてそのことを隠している、というものぐらいでしょうか)。
ですので、bobさんにもそのことが伝わるよう、そして「先輩」が憧れる「勇者の戦装束」や、普段耳慣れない衣装「チャップス」がどういう物なのか、そして一転して露出の少ない彼女の普段着や彼女の「引き締まってるけど筋骨隆々ではないプロポーション」などを伝えるためアホみたいにwebで拾った資料をお送りしました。
その一部がこれです。
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こんな資料を大量に送り付けられたbob先生も大変だったと思いますが、その甲斐はあったということは、すでに本を手に取られた方はご存知の筈です。

bob先生、ありがとうございました。

というわけですので皆様どうぞ「エルフでビキニでマシンガン!」お買い上げの程を!

「エルフでビキニでマシンガン!」発売中です!

そういうわけで、新作「エルフでビキニでマシンガン!」
ついに書店で発売開始です。地方は多少遅れますがもう少しお待ちください!
そんなわけで恒例のPVを作りました!
まだお買い上げ間だの方は是非! なお電子書籍版は来月の配信開始となります!もう少しだけお待ちください!

 

「エルフでビキニでマシンガン!」試し読みできます!

お疲れ様です、いよいよ今週末から発売が始まります新作「エルフでビキニでマシンガン!」の試し読みが、MFさんのページで出来る様になりました。

この文字をクリックして頂ければリンクに飛びます!

早い所では23日金曜日からの発売ですので、どうぞよろしくお願いいたします!

「エルフでビキニでマシンガン!」表紙公開!

そういうわけで正式に「エルフでビキニでマシンガン!」が公開されました!

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とまあこのようにbobさんの素晴らしい絵で、トコトンまでの馬鹿な素材を使った贅沢極まる表紙となっております。
ちなみにこれまでフィギュアを使って再現していた奴と比べてみましょう。

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ね? やっぱり本物のほうが比べものにならないレベルですばらしいでしょう?

お話は天涯孤独の身の上になった主人公が、放課後にしか何故か会えない「先輩」の武器密輸に関わったところ、何故か流れ流れて異世界テ=キサスへ。
そしてそこで自ら武器を取って戦うことになるんですが、その世界では女性が男性と同じ様に戦う為に「ビキニ」を身につけると神のご加護が得られるといううルールがあって……という頭の悪いお話です。
明るく楽しく脳天気に、ということで頑張っております、どうぞお楽しみにー!

今月は電子書籍で「リラム~密偵の無輪者~」が発売です!

お疲れ様です。
沖縄では明日から旧暦でお盆をするんでドタバタしておりますが、関東ではコミケが開かれていて、このホームページをご覧になってる方の中には参加為されている方も多いと思います。どうか無事にお戻りになられますように。

で、先月紙の本が発売された「リラム~密偵の無輪者~」ですが、今日からKindleなどの電子書籍版が発売となります。

というわけで、Amazonにおける本のソムリエ、「きんどるどうでしょう」さんのサイトに販促話を書かせて頂きました。

『疾走れ、撃て!』神野オキナ最新作はファンタジー世界のスパイ物 「リラム〜密偵の無輪者〜」

すみません、書いていて日和りました(汗)。
電子書籍の未来について、かなりあやふやな、どっちとも取れる発言にしています……ただ、電子書籍と本は違うジャンルの「読み物の媒体」としてこれから併走していくのではないかと思います。

リラム~密偵の無輪者~発売記念短篇「北方の訪問者」その7(完結)

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「ああでも素晴らしいよ、こんなに心が浮き立つのは生まれて初めてだ! きっと世の中にはもっと楽しいことが一杯あるんだろうなあ。お前は世の中を旅しているのか?」
不意にレイロウに言われ、「なにか」は少し首を傾げた。
「そでしね」と立て札が掲げられる「しょうしょうならよのなかをみておりまし」と。
「広いだろうな、世界は」
少年は遠い目をした。
「僕はヒウモトの小さな城下町の娼館で育った。小さいけど、温かくて、優しい場所だった…………でも七歳の時に、お前は将位主の息子のひとりだと言われてそこを後にした……あとで訊いたら、その年の冬に火事を出して焼け落ちたってさ……そこを出ていらい、あちこちを流れてきたけど、『遠い』と感じても『広い』と思ったことは滅多にない。
だが、この北方辺境まで来てようやくそう思った……そしたら、彼女に出会った」
どうやら少年は本当にその「北方辺境の魔女」に心を奪われたらしい。
それからは酔っ払いの常で、レイロウの言葉はぐるぐると同じ言葉にたどり着く。
「僕は彼女に惚れた」
「絶対に彼女を僕の伴侶にする」
「そのためにはどんな手段だって使う」
「彼女を僕のものにできるなら、彼女に生涯恨まれても構わない」
この言葉が10分から数分で繰り返される。
これが成人男子であれば、その美しさも相まって空恐ろしい意味になるのだが、僅か14歳の少年が酒精の力を借りて満面笑みを浮かべてコロコロと笑いながら言うのだから、微笑ましいと言えば微笑ましい。
だが、「なにか」は「しゅだんわえらばねばだめでしよ」とか「うらみつらみにあいはないでしよ」とか言わないでもよいような言葉を立て札に書いて掲げる。
これもまた、言葉が発せられていたら一騒動になったかもしれないが、ぐでんぐでんの酔っ払いが文字の読めるはずがない。
そんなわけで、少年は自分の生まれて初めての恋心をのろけ、「なにか」はひたすらそれをたしなめて正しい形の情愛を薦めるという、なんとも微笑ましいままの状況が続き、ついに少年の体力が酒精に負けた。
「とにかく、かのじょは……きれ……」
い、と言い終える前に敷物の上に突っ伏して少年は寝息を立て始めた。
すでに大の男でも半分飲み干せば倒れるといわれた火酒の瓶は、3本も空になっている
「なにか」はしばらく首を傾げて少年の姿を見ていたが、やがて立ち上がり、とことこと部屋の中を歩いて、最初にかけてやった毛布を少年の身体にしっかりとかぶせ、さらにすでにパリパリに乾いた汗ふきを、土間にある井戸(これは高位者用宿泊施設ならではの贅沢であった)から汲んだ水で濡らし、暖炉の鍋にも水を満たして火にかけると、暖炉の薪を奇妙な形に組み上げた。
不思議な形に組み上げた薪は燃える側から崩れ、朝までこの暖炉の火を絶やさないように、しかし燃えすぎないように自然に炎の中に倒れ込む。
「なにか」は再び頭からすっぽりとぼろ布を纏うと部屋の周囲をゆっくりと見回した。
ややあって、少年が寝ている広間の奥に何か気配を感知して「なにか」はトコトコとと歩いていった。
最初にレイロウが「なにか」を見つけた場所。
その机の上に、小さな「歪み」ができている。
ある角度から見たときだけ、その周辺だけ風景がぐにゃりと歪んで見えるのだ。
「なにか」は、恐れることもなく、椅子のうえに「よっこいしょ」とのぼり、壁越しにレイロウの方をみやってぺこりと頭を下げると、ひょいとその「歪み」の中心へ飛びこんだ。
「なにか」のまとったぼろ布の裾から覗いていた尻尾の先までその「歪み」の中に、まるで水の中に入るようにつるりと飲み込まれると、「歪み」は消えた。
後にはレイロウのみが残され、寝息を立てている

レイロウが目を醒ますのはこの日の夕暮れ、酷い二日酔いに三日間悩まされ、また家臣の中でも一番の忠義物のタグロという青年から「若にお酒は早すぎます」というお小言も頂戴し続けた。

以後彼は決して一日二杯以上の酒を飲まず、それはのちにヒウモトの最大の権威である皇位主の暗殺を計画したとして国を追われて転がり込んだ、火酒の国、ロキオルスにおいても変わらなかった。

「何しろ、変な物とずっと会話してたんだ」

数年後、二十歳をとうに越えたレイロウは彼の傍らにいることになった「北方辺境の魔女」こと、リンザに言った。
「赤ん坊のような、丸い目だけで鼻も口も無い、でも妙に愛嬌のあるそうだな……子供のおもちゃみたいなのと。だから酒はやっぱり過ぎれば毒だと思う」
と。
彼は生涯、自分が見たものを「酒精の見せた幻」だと信じて疑わなかった。

 

さて、あの時「歪み」の中に飛びこんだ「なにか」はといえば……


飛びこんだ瞬間、「なにか」はどたばたと今度は金属で出来た廊下の上に転がり込んだ。
きょろきょろと周囲を見回す。
「なにか」のセンサーは周囲を見回し、ここが彼の目指すべき場所と、また違ったことに気がついて落胆した。
ここは宇宙船、あるいはそれに似た乗り物の中であり、動力源は「なにか」のいるべき場所には存在し得ないとされる物質だったからである。
通路の上に腰を下ろし、短い足を投げ出して、溜息をつくようにうなだれる「なにか」の上に影が差した。
慌てて「なにか」はぼろ布で頭を覆う。
甲高いセンサーの音がして、青い光が彼を照らし出した。
「ほう、アシストロイドの客とは珍しい。キャーティアはとっくに滅んだと思っていたが……いや、君は多次元宇宙からきたのか?」
「なにか」は顔をあげてその人物を見た。
背の高い、片眼鏡をかけ、唾の大きな帽子をかぶって身体にぴっちりしたコートを身に纏った少女だ。
「ということは迷い人だな?…………随分たくさんの世界を回ってきたのだね。元の世界の番号が読み取れないぞ…………? まあ、よかろう」
少女は立ち上がると腰に手をあててふんぞり返った。
「この『ロスティニア』は君を歓迎する。君の次元番号が判るまでここにいるがいい」
そう言って、少女は微笑んだ。
「ちょうどこの船は乗員がいないのでな、たまに修理とかも手伝ってくれると嬉しい。ついでに言えばドーナッツが作れるともっと有り難い」
こっくりと「なにか」はうなずいたが「しかし、わりらはほんらいのあるじにおつかえするもの、どうかあしすとろいどのなまえでよぶのはごかんべんを」と立て札…………プラカードを掲げて頼むと、少女は頷いた。
「ではそうだな、修理もしてくれるというのであれば『をやかた』というのはどうだろう? そうそう、名乗るのが遅れた、私の名はパーシィ。見ての通りの時空調停者だ」
そういって少女は満面の笑みを浮かべて「なにか」あらため「をやかた」の手を取って握手した。

 

「北方の訪問者」おしまい

リラム~密偵の無輪者~発売記念短篇「北方の訪問者」その6

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「そうか、今日はめでたい日だ、この中にある物全部お前にくれてやっても良いぞ」
そういって、珍しくレイロウは高位者の年相応の子供らしく反っくり返って、自分の滑稽さにまた笑った。
そして火酒をまたひと口。
「今日は本当にめでたい日なんだ。僕はようやく、生涯の伴侶を見つけた」
本当に嬉しそうに、無邪気に、少年は華やいだ笑みを見せた。
この場にまっとうな人間がいれば、間違いなく顔を赤らめてしまうほどに、それは美しい笑顔。
普段は氷のような能面なのに、酒精の力と己のうちからあふれ出てくる歓喜の泉が相まって、彼は年相応の子供の様相を呈していた。
「北方辺境の魔女、ってしっているか?」
ふるふると、「なにか」は首を横に振った。
「この北方辺境を納めている女王だ。背が高くって、美しくて、強い。もの凄く強い。今日、初めて本人を見たんだ……僕は、彼女と添い遂げる。夫婦になる!」
しばらく首を傾げ二頭身の「なにか」は「あいてはおいくつでしか?」
「まあ、戦古貴人族だから、僕より一〇〇歳は年上だと思う。でも多分、僕のほうが彼女より先に死ぬだろうね。ヒト族と古貴人族はそういう落差があるし。僕はサムライだから、そこで戦場で先に死ぬかもしれない。相手だって先に死ぬかも」
一瞬そこでレイロウは黙り込んだが、すぐに頭を振った。
「でも、今回そういう悲観的な考えは浮かばないんだ。だから昨日からずっと計算球に僕らの数字を入れてどうなるか計算させているんだけど、計算球は一週間後以上の計上利益以外は予測出来ないから、まあ無理だよね」
あははは、と笑い声をあげる。
いっぽう「なにか」は腕組みして首をひねり、「そいつはたいへんむずかしもんだいでしね」と立て札を掲げた。
「僕は、自分から欲しいと思える人が初めてできた! これまでいろんな人が僕に好意を寄せてくれたり、そうじゃなかったり、色々あって、どれも嬉しかったけど、自分から欲しいと思える相手ができるなんて思わなかった!」
楽しげに少年は笑った。
「素敵だ、とっても素敵だ。人に恋い焦がれるというのが、こんなに楽しいなんて!」
表情のないはずの「なにか」の顔が、あっけにとられたように少年を見つめる。
「素晴らしい、恋は計算球では測定できない! 今の僕なら、これまでもの何倍もの戦いを繰り広げても大丈夫だと思うんだ! きっと、どんなに間尺に合わない戦いでも勝ってみせる! そんな自信があるんだ。判るかい?」
すなおに「なにか」は「わからないでし」と立て札を掲げた。
「わからないだろうな、うん。僕も昨日まで判らなかった!」
あははは、と少年は高々と笑った。心の底からの笑い声。(続く)

リラム~密偵の無輪者~発売記念短篇「北方の訪問者」その5

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「だが今の世界は違う。全ては調律集が決めた査定に従って権威者たちも査定され、評価され、あたわぬ物は重臣部会によって立場を追われる。場合によっては圏に与えた損害を孫や曾孫の代まで支払い続けることもある……まあ悪くはないな。僕もそういう意味では結構『お高い』んだぞ?」
そう言って、レイロウは紐で首に提げた小さな金属の塊を取りだした。
球体状で、表面にみっしりと数字が浮き彫りになっていて、それが規則正しい動きで出たり引っ込んだりを繰り返している。
「僕の価値は……今の所交易金貨で9800万とんで3枚分だ。まあ当然と言えば当然だけどね。10歳の時から軍を指揮して、一度も負けたことがないから。とはいえ勝っても次の戦場、次の戦場で碌な報償も貰ってないから実感はないけどさ」
ふっと少年は寂しげな目をした。
人生に諦観を覚えつつある疲れた老人のような目。
「兄上はどうしてこんなことをするんだろうなあ……」
呟く彼の言葉を聞いているのか、いないのか「なにか」はちょこんと正座したまま、杯を口元に持っていった。
何処へ吸い込まれていくのか、するすると火酒が消えていく。
「お前、飲み食い出来るのか?」
こくん、と「なにか」は頷いた。
「そういえば、この毛布はお前か? あの椅子にかけた布も?」
同じく、こくん。
「そうか、ありがとう」
レイロウは歳の離れた弟にするように「なにか」の頭を撫でた。
「お前は優しいなあ」
そういって微笑む。さらに火酒を煽った。
「酒のアテがもう干し肉ぐらいしかないが、いいか?」
と訊くと、相手の返事も構わず、部屋の奥から合戦時に携行するための干し肉を数枚出してくる。
「山梅牛の首肉だ、岩塩が染みてて美味いぞ」
それを両手で持ってパクパクと口元に消し始めた「なにか」を見て、レイロウは微笑んだ。
「うまいか?」と訊ねるとまた頷いた。
「そうか、今日はめでたい日だ、この中にある物全部お前にくれてやっても良いぞ」
そういって、珍しくレイロウは高位者の年相応の子供らしく反っくり返って、自分の滑稽さにまた笑った。

 

リラム~密偵の無輪者~発売記念短篇「北方の訪問者」その4

通常のレイロウであれば、即座に斬って棄てようとする相手だったが、酒精と浮かれた嬉しさに、彼は苦笑しながらその侵入者の頭にぽん、と手を置いた。
相手も逃げずにレイロウの掌を受け容れる。
撫でると、相手の頭から布が外れて、三角形の奇妙な紅白に色分けされた「耳」らしきものが立ち上がる。
「ふむ、いい撫で心地だな、お前。緑山猫みたいだ」
撫でるだけでは飽き足らず、レイロウはひょいとその生き物を抱え上げ、抱きしめた。
「うむ、柔らかくっていいな、お前」
相手は「そりわこーえーでし」と下手なヒウモト文字で答えたが、酔っ払いのレイロウには関係が無い。
「よし気に入った、お前、僕の酒の相手をしろ。口がないってことは静かでいい」
そう言ってレイロウはその奇妙な生き物を暖炉のある部屋まで持って行ってしまった。
「さぁ、飲め」
そう言って少年は耳と尻尾の生えた奇妙な「なにか」の前に杯を置いて火酒を注いだ。
「外は寒いぞ。お前、どこから来た? ……なに、わからない? 落っこちてきた? まあいいや。ここは北方辺境、お前みたいな変なのは他にも一杯いるんだろうな。だが、人の言葉を話す奴もいるとは思わなかった……いや、人獣族は獣に変しても人語を喋ると言うが……ん、お前ひょっとして赤狸か?」
すると「しつれーな」と「なにか」は立て札を掲げた。「ゆいしょただしいわれらはぬこでし」
「ほう、ぬこと言うのか、お前らは」
こくこくと「なにか」は頷いた。
「まあいい。神も魔法もこの世界を去って数千年。それでも魔法のような技術は残り、世界は銭金を中心に回っている……知っているか? 神と魔法がこの世界にあった頃、人々は『国』と呼ばれるものに束縛され、『国』に君臨する『王』というものが絶対的な権力を握っていたらしいぞ」
心なしか暖炉の明かりに照らされた白い「モチ」のような顔が興味深そうに首を傾げた。
「だが今の世界は違う。全ては調律集が決めた査定に従って権威者たちも査定され、評価され、あたわぬ物は重臣部会によって立場を追われる。場合によっては圏に与えた損害を孫や曾孫の代まで支払い続けることもある……まあ悪くはないな。僕もそういう意味では結構『お高い』んだぞ?」