「カミカゼの邦」書影!

気がつけばもう8月も半ばを過ぎ、コミケも終わり、秋の近づく日々……な筈ですが相変わらず熱い、もとい暑いですねえ。

そして「カミカゼの邦」の書影が出ました!
クリックすると徳間書店の紹介ページに飛びます。

一般向け娯楽作品らしい、いい表紙だと思います。
少々お高い(※税込み2052円)ですが、それだけ以上の価値がある作品です。
どうぞよろしくお願いいたします。

 

この前のTwitterでのドタバタをモーメントだけではなくトゥギャッターでもまとめてみました。

トゥギャッター「自宅警備隊、南へ?あるいは「カミカゼの邦」&琉球義勇軍の乱(コント)

モーメントと違ってトゥギャッターだとツッコミ文章とかが入れられるのがありがたいですね。

「スウィッチブレード」こぼれ話

昨日ご報告した「読楽」さんの「スウィッチブレード」という短篇は、修学旅行で沖縄に来た女子高生たちとその担任教師のお話ですが、原稿書いた時点で指摘の入った部分がありまして。
「神野さん、今の子たちは『写メ』って言わないみたいですよ」
え?
慌てて、小中高生向けのイベントを手がけることもある知り合いにも話を聞いたら「ああ、確かに今の小学校中学校の子たちは『インスタ』っていうかなぁ」
との話でした。
お話の舞台がちょっと未来を想定しているので、今の小中学生が高校生になった頃は「インスタ」が主流かも知れない、ということで「写メ」を慌てて変更し、「写真」に「インスタ」というルビを振ることにしました。
これがその証拠写真。

 

 

 

 

 

 

考えてみれば「写メ」もメール付き写真のことで、携帯などで撮影する写真自体のことではなかったわけですし。言葉は移ろいますな。

それだけではなく、小中高生向けのイベントを仕切ってるその知り合いに言わせると「TwitterもFacebookも年寄りが口出ししてくる面倒くさいツール」で、小中学生はLINEで全て人間関係が完結していることに満足してることが多いそうで。
で、仲間内から世界へ向けての速効性がある上、否定的な意見を書き込みづらいセレブな雰囲気のインスタグラムはそういう意味で「安全で静か」な「外へのコミュニケーションツール」だと感じてるようだ、って話でした。

コロリと忘れがちですが、こういう細かいディティールというのは案外「自分が30歳までのもの」で情報が止まりがちなので、やっぱり小まめな日常リサーチは必要だよなあと思うのでした。

「カミカゼの邦」の前に「スウィッチブレード」

徳間書店から来月、8月末に出ます、国際謀略アクション小説「カミカゼの邦」ですが、その前日譚「スウィッチブレード」が徳間書店さんの発行する文芸誌「読楽」8月号に掲載されることとなりました。

タイトルがスウィッチブレード(昔で言う飛び出しナイフ)なのに写真が折りたたみなのは今の日本ではスウィッチブレード式のナイフは違法とされているためです。
内容は「カミカゼの邦」の始まる時間軸より遡ること半年、登場人物のひとりである政長恭子と、その教え子である結城真琴を中心に展開される「日中開戦当日」のお話です。
こちらは、不穏な空気が膨らんでいって最後決定的な「これまでの日常の終わり」に繋がるというサスペンスの話です。
本編である「カミカゼの邦」をご覧になった後なら感慨深く、こちらを先に読まれたかたは彼女たちがどうなっていくのかを知る為に「カミカゼの邦」本編を是非お読み下さい、と胸張って言える内容です。どうぞお楽しみに!

 

カミカゼの邦 予約一覧

8月末に発売される徳間書店さんからの新刊「カミカゼの邦」
沖縄における日中紛争を発端に始まる謀略アクション小説です。
実店舗の書店さんでも予約が始まり、webの本屋さんでも大体のところが出揃ったようですのでまとめておきます。

※書籍データ

カミカゼの邦(かみかぜのくに)
著者 神野オキナ
発行 徳間書店
四六版
ISBN 978-4-19-864450-5
発売日(予定) 2017年08月29日
販売価格 1,900円 (税込 2,052円)

E-hon

TSUTAYA

楽天ブックス

そしてこの三つに加えてAmazonさんでも一昨日ぐらいから取り扱いが始まりました。

Kindle版は紙の本と同時に発売の予定です。

もろもろ壊れる

ある朝、メインマシンが急にダウンしました。
ひょっとしたら過充電かもしれないということで、一端コンセントから電源コードを外し、一時間ほどしてから再び差し込んだら、電源部分の廃熱口から煙がぽわんと。
ぎゃー!
ということで大慌てでPCのメーカー、マウスさんに電話を入れたら「すぐ送って下さい」という話で、ドック入り。
今まで購入し、基本のセットアップはしてましたが放置状態のノートPCを取りだし、ひーこらいいながら細かいセットアップの続きを強行し、16Gから4Gの世界に押し込められて、その遅さに愕然としつつも(せめてすぐに8Gにアップグレードするべきでした)、何とかカントカ、ワープロ&メール送受信機能とウェブ巡廻能力だけは回復させて今に至りますが、やはり変換速度や微妙なユーザー辞書の違い、Skypeでのチャット中、いいなりATOKのユーザー辞書が機能しなくなる(原因不明)というような症状が出、ゲンナリしながらも8月刊行予定の「カミカゼの邦」のTwitterやウェブ用の宣伝のためにと久々にモデルガンのSIGP226を引っ張り出し、ダミーカートを装填して……と思ってマガジンキャッチのボタンを押したら、ボタンがからん、と外れまして。
金属じゃないABSモデルガンの哀しさ、マガジンキャッチを止めている部分が度重なる動作に負けて、スプリングとマガジンキャッチの小さな部品が填まっている部分が小さく割れて機能しなくなったというわけです。
壊れるときは壊れるものですが、もはやいつ再生産されるかも判らないモデルガン(BBガンと違い、ユーザー数が圧倒的に少ない=需要が少ない=再生産するコストが高い)なんで、ちと涙目になっております(※なおPCはすぐに修理が終わったらしく発送しましたというメールが来ました)
そんなドタバタの果てに撮影したのがこの写真です。

 

 

 

 

 

そんなわけで、「カミカゼの邦」どうぞよろしくお願いいたします。

「カミカゼの邦」という作品を書きました。

お疲れ様です、神野オキナです。

この度「カミカゼの邦」という作品を書きました。
「あそびにいくヨ!」が終わり「疾走れ、撃て!」も完結して、以来、基本コメディ方向への作品ばかり連ねてきました。
「EXMOD」と「リラム~密偵の無輪者」はシリアス系に属しますが、あまり黒いお話にはせず、基本プロフェッショナルだったり、「人との関係性の変化」をメインにした切なさをテーマにして描いてきました。

これには「あそびにいくヨ!」開始から干支がひとまわりして新しい、若い読者のかたに向けて書いているというのもあります。
この辛いご時世に、ライトノベルにおいてまで辛い話は読みたくないよね、という思いもあります。
そういう意味で一番明るい方向に振り切ったのは「エルフでビキニでマシンガン!」ですね。
これはこれで楽しいですし、本来ライトノベルの人間ですから作りがいもあります。

ただ、時代に合わせて「使わない道具」というものも出来てくるわけです。
いえ、ペンだとかノートだとかという意味ではなく、単純に、レーベルごとの空気に合わせた微調整の方向性……ジャンルだったり描写だったり、キャラクターだったりという意味ですね。

今回の「カミカゼの邦」はそういう意味では「シックスボルト」以来、久々に自分の中にある色々な感情や思考を解放した作品となっています。

フルアクセルを踏み抜きました。

表現方法も、ストーリーもキャラクターたちも、一切手加減をしていません。
久々に、を乗り越えて、これまで踏み込んだことのない領域です。

日中が戦争するかも、という、沖縄に住んでいてこの10年、急速に膨らみはじめた悪夢と、それがもたらすであろう被害と闘い。
戦後、そこから派生するテロ、そしてwebが生み出す新しい人間同士の繋がりや利害関係のシステムと、「あり得そうな明日」を描くことにしました。
そして神野オキナ作品には珍しく「チームもの」になっています。

扱うものは戦争、テロ、復讐、虚無、欲望、愛、セックス……やりたい放題にやらせて貰いました。
普段の4倍、原稿用紙1200枚を超える初稿を仕上げるのに、たった2ヶ月しかかからなかったところを見ると、どうやらかなり、私は色々なものを鬱屈させていたようです(その代わり書き直しや整理に時間を取られましたが)。

そして、なんという奇跡かただ暗いだけ、陰鬱なだけではなく、読み終わった後に爽快感が得られるような作品が生まれました。

これまでの神野オキナ作品にはないタイプの主役ですし、脇役たちですし、物語になったと思います。

単に長いのではなく、「読み応え」のあるものが出来ました。発売までもう少しお待ち下さいませ。

※書籍データ

カミカゼの邦(かみかぜのくに)
著者 神野オキナ
発行 徳間書店
四六版
ISBN 978-4-19-864450-5
発売日(予定) 2017年08月29日
販売価格 1,900円 (税込 2,052円)

13代目ドクターは女性だそうで(後編)

さて、13代目ドクターは誰(WHO)?
ファンの間では様々な憶測が乱れ飛びました。
私が知ってるだけでもダニエル・クレイグの「007」で印象的な「Q」を演じたベン・ウィンショーからマーヴェル映画「ソー」の虹の橋の門番で「パシフィック・リム」の長官役でもあったイドリス・アルバにいたるまで、人種も役者の方向性も様々。

……とまあそういうわけで、さんざんファンをヤキモキさせた後、いよいよ新しい13代目ドクターは公開となりました。

新ドクターは女性で、ジョディ・ウィタカーという役者さんになりました。
その前にドクターの宿敵、マスターが女性となって再生したので、そういうことになるかもね、とは噂されていましたが、ビックリです。
面白いのは12代目ドクターの最後のコンパニオンは黒人女性の同性愛者という設定で、12代目ドクターとは「やんちゃな孫と頑固爺ちゃん」みたいな感じだったんですが、13代目が女性になる事で、ドクター・フー定番の「友だち以上恋人未満なドクターとコンパニオンの関係」が復活することになります。

しかしまあ、数年前「ドクターを残念美少女にしたら?」という思いつきで書き始めた時空冒険譚「イコライザー!」が図らずも先取りしたかたちになるとは(笑)
世の中というのはどう転がるか判らないもんです。

さて、13代目ドクターのお話はどうなるんでしょう。
マット・スミスの、子供っぽさとシリアスさを兼ね備えた11代目から、渋くて気むずかしい(同時にそれは思慮深さの表れでもあるんですが)ピーター・カパルディの12代目ドクターになってから、めっきり気むずかしい脚本になっていたスティーブ・モファットから、まるっきり新しい脚本とプロデューサーに変わるので、恐らくがらっと雰囲気も変わるでしょう。
個人的には「サラ・ジェーンアドベンチャー」のような明朗快活路線に行ってくれると嬉しいなあと思いつつ、イギリスらしい毒の利かせっぷりも見てみたいし、何よりも10代目ドクターに恋をしながら純情を貫いたオムニセクシャルのキャプテン・ジャック・ハークネス(スピンオフ番組『秘密情報部トーチウッド』の主役にもなりました)の復活が見たいと思っているんですが!

新刊「カミカゼの邦」のお知らせ

久々に一般向けのお仕事の報告をさせて頂きたいと思います。

実を言いますと、この半年ぐらい、とある作品にかかりっきりになっておりました。

その作品が来月、8月末にようやく発売されます。

 

 

タイトルは

「カミカゼの邦」

といいます。

カミカゼの邦(かみかぜのくに)
著者 神野オキナ
発行 徳間書店
四六版
ISBN 978-4-19-864450-5
発売日(予定) 2017年08月29日
販売価格 1,900円 (税込 2,052円)
現在、ウェブの上では以下の三箇所で予約が出来る様です。
E-hon

TSUTAYA

楽天ブックス

「リカバイヤー」以来久々の「シックス・ボルト」の路線……シリアスなハードアクションものの新作ということになりますでしょうか。
お話は東京オリンピック後を舞台に、沖縄において日本と中国が戦闘状態に突入、というところから始まります。
紛争状態が終わった後、勝利を掴んだ日本を舞台にとある陰謀が進行し、それを沖縄で戦った元民兵が知って……という内容です。
徳間書店さんからの発売、税抜きで1900円というお値段は少々お高いですが、四六判で400ページ越え、つまり400字詰め原稿用紙でのべ1200枚以上の内容、上下二段組なので読みごたえはあると思います。
また、一般文芸での発売ならではの、ハードボイルド/バイオレンスですので、陰謀、エロス、ハードアクション、グロ描写も含め、私が今現在、もてる全てのエンタメの技術を注ぎ込んで作りました。
この作品が書けたからあと10年は戦える、と我ながらに断言出来るほど、凄い作品が書けたと思います。
どうぞ、ご期待下さい!

 

EXMOD2 外伝「華社美月の風景」その8(全8回)

☆第8回

学校が再開して、登校初日に、美月は偶然、亜世砂と校門で出会った。
いつものように姉の世衣と、弟分の真之斗と一緒だが、世衣が真之斗と手を繋いでいた。
明らかに三人の雰囲気が違う、と美月は首を傾げ、それ以上の大きな違和感に気付いた。
世衣の右手首の補助装具は変わらないが、真之斗の腕、亜世砂の足首を覆っていた装具がない。
「どうしたんだ。おい?」
美月がそのことを指摘すると、亜世砂は勿論、世衣までが微笑んだ。
「色々あったんですよ」
と世衣が答え、その声が数日前までのがらがら声ではなく、事故前の美声を取りもどしていることに美月は驚いた。
「美月、あとでいいもん、見せてやるよ」
と亜世砂は微笑んだ。
そして数時間後。
クラス合同で受ける体育の授業で、それまで体育着をつけたまま見学だった亜世砂が「今日は調子がいいんで参加します」と言い出した。
体育教師は、陸上部の副顧問で、一瞬痛々しい顔をしたが、「いいでしょう」と頷いた。
授業は100メートル走の測定。
やがて亜世砂の番が来た。
後ろに並ぶ美月にちょっとだけ振り向いて、亜世砂はにやっと笑った。
その笑顔が「まあ、見てろよ」という意味だと気付いて、美月は首を傾げつつ、スタートラインに移動していく亜世砂を見て驚いた。
足を引きずっていない。
それに身体の中心線が、昔のように真っ直ぐになっている。
実践型の空手をやっている美月には、数日前までの亜世砂とは別人の身体の動きになっていることが理解出来た。
スターター代わりの笛が鳴る。
だん、と亜世砂が踏み出す最初の音が、美月の耳に残っているうちに、その細い身体が50メートルのラインを超え、ゴールラインを踏んでいた。
どれくらいの早さかは分からないが、間違いなく、以前よりも早い、と美月は思った。
「え? え?」
亜世砂がゴールラインを踏んで数秒して、慌てて教師はストップウォッチのボタンを押した。
「12秒……いえ、今のナシ! 測定しなおします! 小日向さん!」
上ずった教師の声に、亜世砂はその場にしゃがみこんだ。
「すみません、先生、ちょっと気分が……」
亜世砂はそう言って片手を挙げる。
仕草はどう見ても嘘だった。
(この野郎)
にやっと美月は笑った。
「先生、俺、小日向さんを保健室に運びます!」
美月は手を挙げて大声で宣言し、亜世砂に向かって走って行くと、芝居に合わせて肩を貸してやった。
「見た?」
「ああ、見た、今の下手すりゃ10秒切ってるだろ」
「かもね」
「何があったんだ?」
「奇跡」
ふざけているような答えだが、それだけで、美月には充分だった。
傲慢かもしれないが、こいつらは勝手な期待を背負わされ、屈辱を受け、特別な苦労をしたのだ、それぐらいあっていい、と思っていた。
それに亜世砂は質問に隠し事で返せるタイプではない。
彼女が「奇跡」と呼ぶなら本当にそういうことが起こったのだろう。
「そっか、よかった」
「でも、もうオレ、人のためには走らないよ」
美月は亜世砂の横顔を見た。
「今まで、人に褒められるのが嬉しくって走ってたけど、今日、気付いた、オレ最初は楽しいから走ってたんだ、ただ、楽しいから」
意地や、怒りではなく、晴れ晴れとした表情だった。
「それなのに……いつの間にか、人のために走ってた。バカみたいだ。今日からもう、元に戻るよ、そういう意味で、さ」
「そうか、なら止めねえ。お前は、お前のために走れ」
「うん、そうする」
にかっ、と亜世砂が笑い、片手でガッツポーズをしてみせた。
「勝ったな」
美月はいい、「ああ」と亜世砂は頷いた。
ふたりはささやかな勝利を胸に、保健室へ急ぐ。
校舎に入ると、微かに世衣の歌声が流れてきた。
少し遅れてどよめきの声も。
<奇跡>は亜世砂にだけ、ではなかったらしい。
「そういうことか」
「ああ」
「いい姉妹だよな、羨ましい」
美月は心の底からそう言い、笑った。
(終)

 

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