強殖装甲ガイバーのお話

今に至るも続く大長編漫画「強殖装甲ガイバー」の第一話が始まったのは私が中学に入学したその月でした。
徳間書店からマニアックな漫画家さんにSFやファンタジーを中心にした漫画雑誌「キャプテン」が刊行され、そのラインナップの第一弾に「ガンダムの」が取れて漫画家としての地位を確立しつつあった安彦良和の「クルドの星」、「軽井沢シンドローム」の大ヒット後を注目されていた、たがみよしひさの「GREY」と並んで現れました。



装甲強化服を生物(ユニット)として、装着者に「侵蝕」することで一体化し、戦闘時には「殖装」、システム的には装着者の「保護」目的で戦闘力を寄与するという考えと、敵である「クロノス」のネーミングや社会への滲透などの描写がこれまでにないハードなモノで、痺れました。
それだけではなく善悪入り乱れ、血みどろになりながら続く戦いとその中でほの光る人の善意や矜恃のディティールがまた素晴らしく。
1年が過ぎ、2年が過ぎ、私が高校を卒業するころには、間に中断を何度か挟みつつ、「キャプテン」の連載第1弾で続いている作品はガイバーだけでした。
当時OVA版が作られるほどの人気を保ったまま、というのは凄いことでした(当時、オタク向け漫画というのは綺麗に終わる作品というのは珍しく、中断したまま消えたり、終わるにしても随分投げっぱなしのエンディングというのも珍しくありませんでした)。
すでに「宇宙英雄物語」が終わり「トライガン」が大看板に成長しつつあるころです。
が、「キャプテン」は諸事情あって消滅。
やはり壮大すぎて物語は完結しないのか、と思っていたら復活しました。
しかもこの手の作品にありがちなテンションの下降やキャラクターの変容はなく、「前回の最後からそのまま時間が続いている」と実感出来るクオリティとキャラクターたちで。
角川書店の少年エースをベースに現在も続いておりますが、国内国外問わず、未だに根強いファンがいて、造形物も含め定期的に新商品が出、数年前のKindle版の大セールの時は並み居る強豪(その中にはエヴァンゲリオンのコミカライズ版もありました)をなぎ倒し売り上げトップを全巻で抑え込むということも起こりました。
で、先日海外から、こういうコスプレ写真が流れてきたほどです。

胸の膨らみ方や腰のくびれからするとOVA版で初登場した女性型ガイバーことガイバーⅡF(劇場版)」ですかね。
10代の頃にOVAや漫画、造形物でガイバーに触れた世代が未だに熱心に追いかけてきてくれていると言うことなんでしょうか。
そういえば20年ぐらい前まで人事異動の季節になると、沖縄に新たに配属になった米兵さんが「るろうに剣心」と「ガイバー」のアニメ版新作を探しに嘉手納基地周辺のTSUTAYAを巡るのはよく見たし、未だにファンな人は沖縄コミコンでも目撃しましたから、舞台を完全にアメリカに移して実写ドラマで、ってのもいいかもしれないなーと思いまして。
なお、ガイバーは二回、実写映画になっております。
予算の殆どをガイバーとゾアノイドに突っ込んだという低予算映画でしたが、当時一点豪華主義でSWのルーク・スカイウォーカーことマーク・ハミルが事件を追うFBI捜査官の役で出演してます。
1はともかく2の「ダークヒーロー」は崖から飛び降りながらの「殖装」シーンや、「タメ」や「キメ」を僅かながら使うアクションシーンはかなり力が入っていたと思います。
いいところだけを抜いて編集するとこのようにかなり格好いいMADが出来るほどです。

動画配信サイト花盛りの時代、いっそ本格的に海外に舞台を移し、低予算でも日本とは比べものにならない予算をかけた実写ドラマとしてガイバーをやるのはどうなのかしら、とつい夢をみてしまいます。