コント「ハリウッドでガンダムが映画になったら見られそうな風景」

「ハリウッドでガンダムが実写映画になるそうで」
「まあ『レディ・プレイヤー1』なんてその実験みたいなもんだしねえ」

「Wガンダムがアメリカに輸出されてもう30年近いわけだから、そりゃガンダムの実写化もハリウッドで動くでしょ。この前の『幼年期の終わり』のドラマ版にも主人公の思い出の品物の中にZガンダムの変形玩具があったし」
「ゴライオンこと『ボルトロン』も立派に向こうで根付いたし……その前にショーグンウォーリアーズとか、トランスフォーマーの例もあるしね」
「人種や名前が変わったりとかするのかね?」
「俺はそれよりも演技の訓練を受けたことのない芸能人が吹き替えやる可能性が高くって憂鬱だよ。だからといって古谷徹さんとかをまた引っ張り出すのは違うだろうしね」
「……なんかどうも暗くなるねえ。明るい方向で考えよう」
「じゃあ、君がハリウッドの良心的なプロデューサーだったらガンダムをどう作る?」
「アムロがテレビドラマの『ミスター・ロボット』の主人公みたいに完全にオドオドしたコミュ障のハッカーでさ、映画は彼の独白で始まるってのはどうよ?」


「ああ、いいね! 父親のテム・レイは悪い人じゃないけど息子との距離を測りかねてて、親子の中は原作通り疎遠、でも父親は最後の肉親だからって戦場に飛びこんで、でもタダのハッカーだから砲撃に追われて、逃げ込んだガンダムのコックピットにいる、テムが知って『戦えアムロ! お前が生き残るにはそれしかない!』と励まされたり叱咤されたりしながら『接続』されることで『覚醒』し『適合者(ニュータイプ)』であると判断されるんだよ。後の展開は「パシリム」のアップライジング的ピーカン下での軽やかなCGロボバトルでザクを圧倒!」
「で、戦闘が終わってホワイトベースの格納庫でコックピットを開けたらみんなから拍手喝采。戸惑いながらも次第に英雄になるに従ってコミュ障が改善、ヒーローになっていく」
「だとしたらブライトさんの性格は大分軽くていい加減な人だな。若い頃のジム・キャリーが演じるイメージで。でももっと出世欲が強い」
「じゃあお約束で、ガンダムの中にいないとニュータイプ=英雄の自分に慣れないと思い込んで、依存しはじめるってのはどうだ?」
「ああ、やりそう。でも最後はリュウ・ホセイの戦死で怯え、さらに続くフラウ・ボウの死(ハリウッドのオリジナル展開)やその葬儀の夜にそれまで優秀で感情なんかないと思ってたエリート軍人のセイラさんと結ばれたりして「男」としての自身を取りもどすんだ」
「でブライトさんも漢を試されて、ミライさんに惚れてるもんだから頑張って突っぱねたりする場面が出てくる」
「ああ、で、最後はガンダムを棄てて一人前の男になって、シャアと銃撃戦の末に素手で喧嘩!」
「あれね、宇宙空間を充分に生かしたトリッキーなアクションで、ところどころスローモーションとか入れて!」
「メイキングで『このたった2分のシーンを撮るために僕ら3か月も特訓したんだ』とか俳優さんがしみじみいう奴!」
「最後は脱出して、みんなに歓声で迎えられて勲章貰ってエンディング」
「で、『君も連邦軍に入ってアムロ少佐のようになろう』」
「『女性でもセイラ少佐のようにパイロットに!』『ミライ中佐のように』『カイ中尉のように』!とカメラがパンする度、全員がカメラ目線で挨拶して」
「最後の『I WANT YOU!』でエンドテロップへ…………ってそれ何処かで見たぞ?」

「……あ、記事をよく見たら宇宙世紀のガンダムじゃないみたいよ?」

「ってことはガンダムWか、SEEDかねえ?」
「謎は深まるばかりでございます」