ちょっと調べてきました

1981年の夏に私は生まれて初めて東京(と京都に神戸)に行くことになったんですが(現地での案内は付きましたが、往復はひとり旅という変則型)、その時の新聞を調べに図書館にいくついでに、「沖縄で初代ウルトラマンはいつ頃、どのタイミングで放送されていたか」ということを調べることにしました。

以前、行き付けの模型屋さんのご店主から「日曜日のタケダアワーは沖縄にもあった」と聞いていたので昭和41年(1966年)の新聞を調べたらあっさりと「ウルトラQ」が見つかり、数ヶ月先の新聞を見てみたら、7月30日のラテ欄(ラジオ・テレビ欄)に「ウルトラマン ウルトラ作戦第一号」の文字がありまして、記事にもなってました。
東京での放送開始が7月17日だそうですから二週間遅れということになりますか。
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とはいえ
「科学特捜隊のハヤタ隊員(黒部進)がなぜウルトラマンの力を持つ様になったのか、その疑問の解明を中心に凶悪な宇宙怪獣ベムラーとウルトラマンの死闘、科学特捜隊が誇る新兵器の数々を紹介するはでなプロローグ番組み
<宇宙怪獣ベムラー>宇宙の凶悪な犯罪者 全長六十㍍ 熱光線で相手を一瞬にして炎上させる強力な武器を持っている」

という味も素っ気もない宣伝素材からの引用文を元に縮めたっぽい感じのものではありますが(なお番組、ではなく番組み、というのは当時の新聞記事のママです)。
しかし子供番組なんて番組のウチに入らないとテレビ局の人たちでさえ堂々と公言し「ジャリ番」という言葉がまかり通ってた時代、この大きさで記事になるというのは前番組のウルトラQと後に言う「怪獣ブーム」の大きさでしょうか。

興味深いのは「兼高かおる世界の旅」の前と五時台にある「高等弁務官のメッセージ」と朝10時40分にある「民政府特別番組み」いう番組。
民政府というのは当時米軍統治下にあった沖縄に存在した琉球政府のことだと思います。政府広報番組ですな。
高等弁務官は当時の沖縄における最高権力者でした。当時の沖縄の米軍基地は陸軍が一番面積を持ち、発言力も高かったので。
高等弁務官は「沖縄の自治は神話にすぎない」と公言し、復帰運動を弾圧するようなことをやらかしたジョージ・W・キャラウェイ陸軍中将の後任アルバート・ワトソン2世陸軍中将で、経済界の不正を糺すために弾圧政策にちかいことを平気でやったキャラウェイと違って融和路線の人だったと思うんでそういう番組があったんでしょうかね(もっともこの年の10月には退任しますけれども)。

それとNHKが存在しないこと(当時の沖縄は米軍統治下にあって日本では無いのですから当然といえば当然ですが)。
当時はNHKから番組を買って船便で送って貰ってたそうでNHKの番組といえどちゃんとCMが入ってたそうです。
しかしまあ、12時からは「少年ケニヤ(『アフリカだッ、ジャングルだっ♪』で始まる東映の実写版)」6時からは忍者部隊月光とハリスの旋風で裏番組がシャボン玉ホリデー、ウルトラマンが終わるとテレビアニメ「戦え!オスパー!」(現在はオープニングが東映のオープニング集に収録されてます)、その裏番組の「0012捕虜収容所」は原題を「HOGANS HEROS」という欧米ではかなりメジャーなコメディ番組で、ドイツ軍の捕虜収容所に収監されたホーガン大佐がその中にドイツ国内における情報収集センター兼セイフハウス(番組内では情報コンビナートと呼称、時代ですねえ)を作りだし、毎回そのためのドタバタを繰り広げ、ナアナアの関係にあるドイツ軍の収容所所長「わしゃ何も見なかった」というのがお約束、というものだそうで。
で、ウルトラマンとオスパーが終わった後OTVで始まるのが「ワイルドウェスト」。映画「ワイルド・ワイルド・ウェスト」の元になった西部劇の皮を被ったスチームパンクSFスパイアクションという奇妙な作品でした。
それだけではなく「0088/ワイルド・ウェスト」「ワイルド・ウェスト危機脱出」「隠密ガンマン」「西部のスパイ作戦」そして「ワイルドウェスト」と5回も邦題が変わって放送された奇妙な運の番組でもあります(またそれぞれにおいて主役の声優さんも変わってしまったお陰で80年代に情報が明らかにされるまで地方ではこれらを別々の番組だと思っている人も多かったそうで)
日本版では当初ケーシー高峰師匠の軽妙なナレーションが入ってたそうですが、この0012捕虜収容所もワイルドウェストも吹き替え音源はどこかに消えているそうで。それをいうとその後夜九時(!)にやっている大河ドラマの「源義経」も、ワイルドウェストの後にやっている「新番組み」である「あじさいの歌」も映像は殆ど残っていないという有様。
タイムマシンがあるのなら、この時代にいって録画しまくりたいもんですねえ……。