「拳銃と目玉焼」

kenjuu

DVD購入していた「拳銃と目玉焼」という自主制作映画を久々に再鑑賞しました。

驚く程画面がクリアで、役者さんも明らかにプロか私も顔をしってる関西の俳優さん、芸人さん。しかも「何を映したいのか」がはっきり判る画面構成なのが凄い……と思ったら制作した人は結婚式などを撮影する業者の人でもありいわば「野放しのプロ」なんですね。
自主制作にありがちな、一刻も早く完成させたい、荒削りでも早くこの作品を世に問うという自己満足のような焦りが皆無の「本気で映画を作る、それも娯楽映画」という作り手の気概が見えます。
内容は「自警団物」の皮を被った関西の「世話物」。
真面目で気弱な男がふとしたことから「正義の味方」を始めるけれど、普段は気になる女性には声もかけられず、それどころか、その彼女は彼の知らない悲しい裏の顔があって……というお話。
大傑作とは言えないかもしれませんが、これ、続編か、テレビシリーズにしてしまったら化けるんじゃないかなあ、と思います(そういう作品だとして作っているわけではないのでしょうが)。
ジャケットにも移っているコスチュームやプロップ類も世界観にあったもので「少し格好良く、かつ今の日本の工場で作りそうなリアルな『格好悪さ』」が同居した物でちょっと欲しいぐらい(特に主人公の持つ銃器)
あと、ちゃんとしてるなあ、と思ったのは単に物語の後半にスーツ付けて走らせるだけな場面にも専用のスタントマンがいたことです。
知り合いの映画関係者に聞くと、口をそろえて「そういう所に気をつけるのは本当に大事なこと」なのだと言います。
撮影事故というのはそういう「素人でも出来そうなこと」や「一般生活で見るようなちょっとした事故の場面」をやったときに起こりやすく、被害も深刻な物になるのだとか。

オチはいかにも関西の映画らしいもので、評価が分かれるとしたらここでしょうね(笑)

 

TSUTAYA系でレンタルもしているそうなので、もしもよろしければ。

オフビートな刑事物「シャドウ・ライン」

この前久々に見返してみたのですが、3年ほど前に放送されたBBCの「シャドウ・ライン」という作品があります。

全8話という短い作品ですがこれがまあ、重いのなんの。

女王赦免で(何故か)選ばれ、出所したマフィアのボスが暗殺される、という、普通ならど派手なオープニングなのに、それをいの一番に見つけた若い警官と、老練というより、たちの悪い警官ゴロな老警官のいやな、実に嫌なやりとりで始まるというオフビートなドラマ。

事件を追う、以前相棒と共に捜査中に銃撃を受けて死にかけ、命はとりとめたもののそれ以前の記憶の一部が無い黒人刑事(相棒は死亡、そして本人は靴箱から謎の札束が出てきて、ひょっとしたら自分は……と疑うことに)と、若年性アルツハイマーの妻を抱え、この仕事を最後に引退を決めているマフィアの幹部がダブルで主役。

特に後者のクリストファー・エクルストン(「ドクター・フー」の9代目ドクター!)は儲け役。
まっとうな常識人でなおかつ怜悧な頭脳を持っているばかりに「雑」な人間ばかりの組織から抜けきれず、最後まで「先読み」をしながらもそれを回避出来ない弱さが上手い。

そんな刑事とマフィア側の事情が二重構造になり、二転三転とかみ合っていく様が素晴らしい。

生き残る者も死ぬ者も、結局誰も幸せにならないまま、システムの奴隷になってすりつぶされていく物語。

劇中に出てくる老齢の「管理者」が「マラソンマン」のマックス・フォン・シドーばりに恐ろしい。

最後に明らかになる真相は「相棒」でも扱われるような話なのだけれど、このラストは日本はおろか、アメリカでも不可能だろうなぁ。

「我々は、仲間を決して見捨てない」

という言葉がこれほど空々しく寒々しく、恐ろしく響く物語は、多分、日本では、いやもう今のアメリカでも作れない。

「人がシステムを腐らせ、腐ったシステムは人を腐らせて延命していく、そして腐った人々はそれを異常だとは思わなくなる」

というあたりがいかにもイギリスです。

これを国営放送が作るんだから……。

CSのAXNやミステリチャンネルなどで放送されることがまたあると思いますので興味のある方は是非。

素人はクラッキングできないのか?

年末なんで、HDDレコーダーも整理中。

そんな中、かなり前に偶然録画されていたCSの海外ドラマ「LOW&ORDER」という番組の初期シーズンをほけっと見てたら、二次大戦の兵隊で勲章まで貰った黒人のお爺ちゃん(ややボケ気味)がクラッカーを射殺。
そのまま老人は大人しく警察に逮捕され、実は孫とチャットするために導入したパソコンから射殺したクラッカーによるインターネット詐欺に引っかかって老後資金の投資を巻き上げられただけではなく、家も何もかも勝手に売り払われてしまっていたので復讐した……という事実が判明。

ただ、ここで問題が。
80代の、インターネット接続の方法すらろくに知らない老人に、クラッカーの住んでいた住所がどうしてわかったのか?

弁護側はあくまでも「ボケ老人が偶然射殺しただけで、心身喪失状態だから無罪でお願いします」と主張、検察も「まあ80過ぎた老人を収監しても再犯とかの問題じゃないし、そうするのもいいんじゃない、たまには(意訳)」と納得しそうになったらお爺ちゃんのほうが「俺はちゃんと明白な意志と計画を持って相手を殺した、法律を破った、お前ら法律関係者だろう? 大人しく逮捕されたんだし、ボケ老人のしたことだと許すことなく、ちゃんと殺人犯として俺を裁け!」と言い出す。

普段被告を守る、あるいは罪に問うことで互いの尻尾を取り合うために争っている検事側と弁護士側が顔を見合わせて途方に暮れるところが楽しい。

ろくにインターネットに繋ぐ方法もしらない老人がどうやって正確に犯人を捜し出したのか、いや探し出せないでしょ、というのが争点というか、弁護側検察側双方の被告への「説得点」になるという変わったお話。

最初は妄想だと思っていたら実際にはインターネットのプロバイダの相談窓口に電話をかけ「孫娘に電話したいんだけど番号も住所も書いた紙を無くしてしまった。メールアドレスだけは残ってるから調べてくれ」と泣きついて電話番号を入手、あとはそこから犯人にたどり着いたという事実を告白。

それなら可能だ、ということで検察、弁護側、判事の三者が「さてどうしたものか」と思案投げ首になるという。

なるほど、高度情報化社会になっても結局最後に点検して動かすのは人間なので、そういう点をつくのはうまいなあ、と。

そういえば「ダイハード4」でも車を盗もうとするマクレーンを、同行したオタク青年が「それじゃ管理センターに止められる」と「父親が事故で死にそうだけど車の鍵が見つからない、早く搬送したいんだ、助けて!」とオペレーターに泣きついて遠隔で車のエンジンをスタートさせて貰う、という場面がありましたっけ。

なお、LOW&ORDERは毎回ぶつっと切れて終わるので、このお話も「とりあえず、立証は当人の口からのみだから、色々かんがみて執行猶予付きでどうだろう?」という判事からの相談に弁護士と検事が双方頷いておしまい、でした(笑)

※追記;
こういうやりかたをソーシャルハッキングといい、実際の企業や官公庁への大規模なクラッキングというのは、こういうやり方をとっかかりにすることが殆どだそうで。

79年の観客から

スターウォーズが公開されました。

で、観てきました。
私には面白かったです。

そしてリブートでもリメイクでもない、「続編」を作る事の大変さが透けて見える作品でもありました。

最近読んだweb漫画2015/12/20

昨日、知り合いに「こんな楽しい漫画があるよ」ということで教えて貰いました。

宇宙戦艦ティラミス

機動兵器の中でボッチ飯という主人公の「無重力下での串カツ」に対する悪戦苦闘を描いて始まるこの漫画、孤独のグルメ(あるいは同じ原作者の「かっこいいスキヤキ」)方向にいくのかな? と思っていたら2話ではTシャツを後ろ前につけていたことから始まるドタバタ。

そして3話では「神聖なるコックピットに整備兵と称するおかんが入ってきたらどうなるか」という……つまりこの作品、コメディタッチで描く「ボトムズ」やギャグ多めの角度から描く「フルメタル・パニック!」ではなく、「コックピットという名の自室に引きこもる思春期の少年の日々」漫画なのです。

考えてみればこの手のリアルロボット系の主人公ってそういう部分があるよなあ、と(笑)大抵は「棺」のメタファーとして描かれているのでこういう切り口はこれまでありませんでした。

主人公のユーモラスさで通底する作品として私が近年思い浮かぶ作品だと、マジェスティック・プリンスがあります。あの「残念ファイブ(のちひとり加わりますけれども)」のうち男3名はそういう方向へ行く可能性もありましたが、あの作品はチームものとして作られていたので、この角度からくるか!と思いました。
当初は主人公以外遠景として描かれていたキャラクターたちも急速に立ってきて、非常に面白いです。単行本出るといいなぁ。


悩むもの

さて、作家商売ともなればいまや切っても切れないのがPC。
そしてこの10年ほど、その配置や位置に悩まされる代物でもあります。

私の場合SONYと富士通、二社のワープロ時代(※80年代まで日本人は文章を打つのにはワープロという「機械」を使っていました)を経て、最初に所有したのがAppleのパワーブック100(友人のお下がりの中古品)、その次がiMac(2代目)だったので画面の位置は固定されていたのですが、仕事の都合でWindowsになって以来、モニタの位置は悩みどころであります。
椅子に深く腰掛けて背筋を伸ばし、真っ直ぐ見た視線のチョイ下ぐらいの位置がいい、というのが一般的でしたが、その「チョイ下」と机と椅子の関係がなかなか微妙でして、ベストポジションは未だに探せないで居ます。

20代の頃は執筆姿勢なんかよりも速度と勢いが問題だと思っていたので気にもしませんでしたが、腰やら肩やらがこの数年悲鳴をあげるようになってきました。

私の場合、特に集中するに従って背中が丸まってくる癖があるんで、ストレートネックの疑いがあると言われてからはなるべく背筋を伸ばして椅子に深く座って、を心がけているのですけれども、肘掛けの位置やら、机の高さやら、なかなか「これ」という位置が見つからぬまま、忙しくなるとまた姿勢が崩れて……というパターンの繰り返しでして。

問題なのは近年になると、腰や肩だけじゃなくて、眼と頭に……正確には眼精疲労から来るヒドイ頭痛が起こるようになってきたということ。

最初は脳神経の病気じゃ無いかと恐れおののいてかかりつけのお医者さんのところに飛びこみました(笑)

最近も一度ありました。目が覚める頃になるとずきずきと頭が痛み出し、こめかみ……というか側頭部全体がつっぱらかってる様な感覚。

眼精疲労から来るとは判っていても素人の判断は怖いので一応眼科に行って調べて貰い、それからいつものマッサージ屋さんにいって首と肩をほぐして貰って今はだいぶ楽になりましたが。

今度はどうやらモニタの位置が高すぎたようで。

結局あれこれ考えましたが、世間一般で言われてる「ギリギリの低さ」にすることにしました。

いっそ立ったまま仕事をするようにしたほうがいいのかもしれませんが、仕事が佳境に入ってくると体力も減ってくるんで、なかなか上手くいかないのですね。

バックアップのノートPCの置いてある机にはホームセンターで購入したすのこと踏み台で作った専用の嵩あげ台があるので立ち仕事はそちらでやれるようにしていますが…ともあれ、仕事をするにも健康でなければならないので、気をつけます、ハイ。

 

 

実は書きたい話

漫画家さんが落描きをするように、作家も落書きをします。

 

こういうことは大事で、幾つも作ったスクラップの山の中からゴーサインが出て本が出たりするわけです。
つまりこういう風にして「本命」を頭の中から掴み出すわけです。

それとは別に、書きたいけどゴーサインが出そうにない作品というのも生まれてきます。

 

長いタイトルで、20代後半~40代ぐらいまでの読者を相手にできないか、というのがこの話。

タイトル「そろそろ40だから親が就職しろと言ってうるさいが俺は脳内嫁の相手で忙しいとどなりかえしてみたところある夜とうとう親が金属バット持って枕元にたっているんだがどうしよう?(仮)」

 

そしてある意味「疾走れ、撃て!」では描ききれなかったしんどくて汚い戦争の話をやりたいな、というのがこちら。

A・Jあの日まで、僕は

残念ながら今のところ引き取り手は見つかっておりませんが、何らかの形で長編として世に送り出したいなあ、と思っております。

最近見てるドラマの話

最近、海外ドラマのNCIS(本家)が第1シーズンから放送されているので、録画して時間が空いたときに見ております。
同じく海外ドラマの「クリミナル・マインド」は仲良し家族、CSIは優しい顧問に率いられた部活の雰囲気ですが、NCISは「頑固親父とその家族」という風なのが興味深いです。

私が最初に見たのはしっかりしてきた第3シーズン以後なので、ディノッゾ捜査官がこんなにウザい磯野カツオ系キャラだとは(笑)
いやあ、パワハラセクハラやりまくりで、よくギプスが後頭部をはたくだけで済ませてるなあ、と思いますねえ。

しかもFOX版吹き替え版だとダッキーことデヴィッド・マッカラムの声が亡くなられた納谷六郎さんなんで、感慨もひとしおです。

で第2シーズンの第7話「追憶の硫黄島」では「親友を殺してしまった」と出頭してきた硫黄島の生き残り(ややボケ気味な上にアル中気味)の英雄、アーネスト・ヨスト伍長の声が川久保潔さんで、「キャプテン・フューチャー」のサイモン教授として最初にこの方の声を認識した身としては、当時同じ番組でいかにもな若者ケン・スコットを演じた井上和彦さん演じる普段部下にも厳しいギブスが「歴戦の勇士」として伍長に優しく対応する姿にちょっと感慨を覚えたり。

最近だと「ニューオリンズ」という分家が始まって、そっちに「今の」CSIメンバーが出てきますが、なんかタイムマシンにのって未来を覗いているような気分ですね。

そしてマクギーの声の会一太郎さんがかつての三遊亭楽太郎、当代の円楽師匠の息子さんでご自身も落語家と声優の二足のわらじを履いてらっしゃるとは。

吹き替え版はDlife版も含めて四シーズン分しかないらしいですが、これを期に最新シーズンまでやって欲しいなあ。