大攻者ナギ1巻

以前ここで取り上げた「大攻者ナギ」の第1巻が手元に来ました、という話はホームページリニューアル前にしました。
今回はもう発売から一週間経過しているので少々中身に踏み込んでの解説を。
この漫画、「進撃の巨人」が掲載されている別マガ連載中の作品です。
お話は、女性にのみ有効な、核兵器さえ効かない身体になる(&副作用として巨大化する)特殊な物質が見つかって、以来、人類は全ての国際紛争を戦争の代行者、すなわち「大攻者」による戦いで終わらせることとなった世界のお話。
主人公のナギは「本気になれば最強だけど、恋愛に憧れている上に、感情を伝えることが不器用な天然ボケ」なヒロインで、彼女が思いを寄せ続けている翔太は「相思相愛ながら自分が恋愛しているのだという認識が皆無なうえ、気配りはあるが感情表現が不器用な朴念仁」という組み合わせ。
一見すると真逆に見える組み合わせですが二人とも感情系に不器用という所が共通。
そこがこの二人をすれ違わせ、勘違いさせ、周囲の事情をしるナギの父などを溜息つかせているわけですが。
そんなふたりが繰り広げる戦いの日々……ひたすら脳天気で明るいお話の影に、「こういうことが可能になった世界はどう変わるか、変わらないか」の線引きがしっかりされていて、それがまた素晴らしい。
特に3話のフランス戦で「この世界にも裏取引はある」ことが啓示され、「大攻者」という存在が単に華やかで可愛らしいだけの存在では無く「国家」というプロパガンダも背負った「国体」の一部である以上、当然それを支える人々の間にも思惑がある、ということが次第に明らかになっていく1巻後半、そして「強い大攻者を保有するのは国家、だが国家の中でそれを保有する者はだれか? この世界において権力は二重構造になるのではないか?」という話に踏み込みつつ、主人公たちは暗い世界に引っ張られることなく、ひたすら明るく、今時珍しいぐらいの純愛ラブコメをしている所がまた。
勘ぐろうと思えばこの作品、このように色々な所に「フック」が隠されているのがまた上手い。
こういう作品は長くなればなるほどその『フック」が発動して凄いものに「化ける」ので、皆さんどうぞお買い上げの程を。